シングルセル、微量RNAからのリアルタイムPCR解析用cDNA合成キット
QuantAccuracy®, RT-RamDA® cDNA Synthesis Kit
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価格表
用途
●シングルセル、微量RNAからのcDNA合成
説明
QuantAccuracy®, RT-RamDA® cDNA Synthesis KitはRT-RamDA® cDNA Synthesis Kit [Code No. RMD-201] の改良版であり、シングルセルや微量のRNA からcDNAを合成することが可能です。本キットで合成したcDNAはリアルタイムPCRの鋳型などとして使用することができ、高感度に遺伝子発現解析を行うことが可能です。
本キットではReverse Transcription with Random Displacement Amplification (RT-RamDA®) 法(下方参考文献)を採用しています。RT-RamDA®法は逆転写酵素の鎖置換活性を利用した新規cDNA増幅方法であり、微量のRNAからpoly(A) RNA、non-poly(A)由来のcDNAの高感度な検出が可能です。このためRT-RamDA®法では従来技術に比べ検出遺伝子が多いことが特長です。
特長
● シングルセルや微量RNAからcDNA合成が可能
1~500細胞または10 pg~10 ng total RNAからcDNAを合成可能です。
● 検出の難しい遺伝子でも解析が可能
cDNA増幅能を保有するため、 検出の難しい遺伝子を解析可能です。
例えば、分解が進み解析が難しいFFPE標本由来のRNAにおいても、増幅率のバイアスが少なく解析が可能でした。
● 増幅によるバイアスが小さい
cDNAが合成と同時にランダムに増幅されるため、従来法で実施している増幅用アダプター付加やPCRが不要であり、増幅によるバイアスを抑えることが可能です。
● 貴重なRNAサンプルも、インプット量を減らして解析が可能
増幅したcDNAを得ることが可能なため、使用するRNA量を減らすことで、サンプルを節約して解析できます。
原理
RT-RamDA®は、国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオインフォマティクス研究開発チームが開発した「Reverse Transcription with Random Displacement Amplification」の略です。
逆転写酵素の鎖置換活性を利用した新規cDNA増幅方法であり、poly(A) RNAだけでなく、non-poly(A)由来のcDNA合成が可能です。cDNAが合成と同時に増幅されるため、従来法で実施している増幅用アダプター付加やPCRが不要なため、増幅によるバイアスを抑えることが可能です。
※RT-RamDA® は国立研究開発法人理化学研究所の登録商標です。
実施例
1. IL8(CXCL8)遺伝子のシングルセル解析
HeLa S3細胞において、処理なし(Control)または100nM Phorbol 12-myristate 13-acetate (PMA) で24時間処理(100nM PMA)を行った後、セルソーターを用いて1細胞ずつ分取し、PMA処理による炎症性サイトカイン遺伝子IL-8 (CXCL8)のシングルセル発現解析実験を行いました。分取した1細胞 (n=48) から本製品によってcDNAを合成し、 THUNDERBIRD® SYBR™ qPCR Mix [Code No. QPS-201] を用いて、IL-8 (CXCL8) 遺伝子の定量を行いました。
その結果PMA処理によってCt値が3程度小さくなっており、IL-8の発現量が有意に増大していることが分かりました。(p値はStudentのt検定より算出しました)。このように本製品を用いることで、シングルセルレベルでも遺伝子の発現解析が可能でした。
2. 微量RNAからのcDNA合成
慢性白血病の原因遺伝子とされる遺伝子について、1ng、5ng、10ngのHeLa細胞由来RNA(BCR-ABL(-))中にK562細胞由来RNA(BCR-ABL(+))を 10pgスパイクし、本製品と増幅能のないA社、B社逆転写試薬でcDNA合成を行い、THUNDERBIRD® SYBR™ qPCR Mix [Code No. QPS-201] を用いて、BCR-ABL遺伝子を リアルタイムPCRで 検出しました(n=4で実施)。
HeLa細胞由来のRNAの混入率が増えるにつれて、増幅能のない逆転写試薬では目的とする微量RNAからのcDNA合成効率が下がり、検出漏れが発生しましたが、本製品では、効率よくcDNA合成を行うことができ、すべて検出可能でした。
実施例3 : 検出遺伝子数の比較
実施例4 : FFPE標本由来のRNAからの増幅
実施例5 : 増幅能のない逆転写試薬との性能比較
参考文献
Hayashi, T. et al., Single-cell full-length total RNA sequencing uncovers dynamics of recursive splicing and enhancer RNAs. Nature Communications. 9:619(2018)
https://doi.org/10.1038/s41467-018-02866-0
- 製品内容
RMQ-101 RMQ-101T ①Lysis Buffer 480μL 120μL ②Lysis Enhancer 108μL 27μL ③RNase Inhibitor 22μL 6μL ④RT-RamDA® Buffer 160μL 40μL ⑤gDNA Remover 54μL 14μL ⑥RT-RamDA® Enzyme Mix 60μL 15μL ⑦RT-RamDA® Primer Mix 60μL 15μL ⑧Nuclease free water 960μL 240μL
- 基本反応条件
※"cDNA合成および増幅"のステップ後、-20℃保存が可能です。
実験手順動画
- ワンポイントアドバイス
THUNDERBIRD® Next SYBR™ qPCR Mix [Code No. QPX-201] をはじめ、SYBR™ Green I, TaqMan® いずれのアッセイタイプのリアルタイムPCR試薬でも組み合わせて解析することが可能です。
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トラブルシューティングは
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- ※ 法規制について
- 毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
- 国: 国民保護法[毒素]
- 劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
- 組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
- 危: 消防法[危険物]
- 生物の多様性の確保に関する法律)
- P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
- 申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
- 労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
- なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品