高効率Total RNA抽出キット
MagExtractor™ –RNA-
TOYOBO
価格表
用途
●培養細胞、組織、酵母などからのTotal RNA抽出
説明
培養細胞や組織などの生体サンプルから高純度のTotal RNAを抽出するためのキットです。回収したTotal RNAは、主にRT-PCRなどに使用できます。
磁性シリカビーズに、破砕溶液中のTotal RNAを吸着させて回収する方法を原理としているため、従来のAGPC法に必要であったフェノールなどの有害な試薬による除タンパク操作やエタノール沈殿操作、高速回転による遠心分離操作が不要です。
本キットは、磁性ビーズ分離用スタンドを用いて使用できます。
特長
●さまざまなサンプルに対応
培養細胞、組織、酵母などから高効率にTotal RNAを抽出することができます。Total RNAには主にrRNAとmRNAが含まれます。
●簡便・短時間
磁性シリカビーズへのTotal RNAの吸着を基本原理としており、簡便に短時間でTotal RNAを抽出することができます。
●高純度のTotal RNA精製が可能
原理
実施例
1.収量と純度の検討
ヒト細胞株HL60細胞2×106cellsをサンプルとして、本キットと一般的なRNA抽出法であるAGPC法によりTotal RNA抽出を行いました。その結果、本キットによる抽出において、収量はフェノールを用いるAGPC法とほぼ同等な結果が得られ、泳動パターン及びO.D.比より、タンパク質やDNA等の不純物の混入がほとんどなく、高純度のRNAが抽出できたことが分かりました。
2.抽出RNAのRT-PCR
ヒト細胞株HeLa細胞2×106cellsから抽出したTotal RNAのうち、1μgを使用してTransferrin receptor mRNAをターゲット(2,115bp)としてRT-PCRを行いました。その結果、逆転写反応を行った場合にのみターゲットの増幅がみられ、比較的発現量が低いことが知られているTransferrin receptor遺伝子の発現を確認することができました。
3.ラット組織からの抽出
ラットの各組織より本キットを用いて、Total RNAの抽出を行いました。抽出は、50〜100mgの組織を液体窒素にて凍結した後、ハンマーで砕き、氷冷した溶解・吸着液(2−ME含有)750〜900μL中でペッスルを用いて充分にホモジナイズし、その上清を用いて抽出を行いました。その結果、組織のホモジナイズ上清から本キットを用いて高品質のRNAが抽出できることが分かりました。
参考文献
1)B. Vogelstein and D. Gillespie, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:615-619(1979)
2)R. Boom et al., J. Clin. Microbiol., 28: 495-503(1990)
- 製品内容
溶解・吸着液* 77mL×1本 洗浄液Ⅰ* 66mL×1本 洗浄液Ⅱ* 176mL×1本 溶出液 10mL×1本 磁性ビーズ 6mL×1本
*洗浄液Ⅰ、Ⅱは、使用前に必ず室温に戻してください。
*キットの他に以下の試薬が必要です。
2-メルカプトエタノール
- 注意事項
試薬が手や衣服に付着した場合や使用後は十分に水洗してください。万一目に入った場合は十分に水洗した後、医師の手当を受けてください。
溶解・吸着液と洗浄液Ⅰには、高濃度のタンパク質変性剤(グアニジン塩酸塩)が含有されていますので、取扱いには十分注意し、手袋を着用するなどの防護措置を講じてください。万一、試薬が手などの皮膚に付着した場合には、十分に水洗を行い、目に入った場合には、水洗を行った後に医師の手当てを受けてください。
- 基本反応条件
本キットは、以下のステップによって高純度のTotal RNAの抽出を行います。
1) サンプルにカオトロピック剤を含む溶解・吸着液を添加し、サンプル中の細胞などを溶解します。
2) 磁性シリカビーズを添加、混合することにより、サンプル中のTotal RNAをシリカ表面へ吸着させます。
3) 2種類の洗浄液を使用してビーズを洗浄し、不要なタンパク質、DNA、塩などを除去します。
4) 滅菌水又は低塩濃度のバッファーなどを使用して、ビーズからTotal RNAを溶出し、回収します。
- 備考
MagExtractor™シリーズの各キットに含まれる磁性ビーズは、それぞれ組成が異なるので、他のキットの磁性ビーズを流用することはできません。
- ワンポイントアドバイス
●B/F(固/液)分離について 本キットをマニュアルで使用する場合、磁性ビーズ分離用スタンド(Magical Trapper®)を用いると便利です。磁性ビーズ分離用スタンドの代わりに簡易卓上遠心機によってもB/F分離を行うことができます。
●血液からのRNAの抽出 全血の場合、白血球のフィコール遠心分離等の操作が必要です。
●抽出に使用するサンプル量 過剰なサンプル量は収率の低下を招くことがあります。適正なサンプル量で使用することをお勧めします。
●組織からの抽出 組織からの抽出の場合、組織によって収率が異なります。心臓、筋肉からの抽出は、収率が低下する傾向にあります。
●DNaseⅠ処理(プロトコール13,14ページ掲載※PDFファイル) 本キットで抽出したTotal RNAには微量のDNAが含まれます。RT-PCRを行う前に、DNaseⅠ処理を行うことで、より安定した結果を得ることができます。
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English Page
- ※ 法規制について
- 毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
- 国: 国民保護法[毒素]
- 劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
- 組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
- 危: 消防法[危険物]
- 生物の多様性の確保に関する法律)
- P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
- 申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
- 労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
- なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品