高効率ゲノムDNA抽出キット
MagExtractor™ -Genome-
TOYOBO
価格表
用途
●全血、動物培養細胞、動物組織、マウステールなどからのゲノムDNA抽出
説明
磁性シリカビーズを用いて血液や培養細胞、組織などから
高純度ゲノムDNAを抽出するためのキットです。
本キットは、タンパク質変性剤(カオトロピック剤)中で磁性
シリカビーズに破砕溶液中のゲノムDNAを吸着させて回収
する方法を原理としているため、フェノールなどの有害な
試薬による除タンパク質操作やエタノール沈殿操作・高回転
の遠心分離操作が不要であり、簡便に抽出することができ
ます。
回収したゲノムDNAは、主にPCRなどの酵素反応に直接使用できます。
本キットは、磁性ビーズ分離用スタンドを用いて全血から直接DNA抽出を行うことができるので、白血球の分離操作は不要で簡便です。
特長
●簡便に短時間で抽出
磁性シリカビーズへのゲノムDNAの吸着を基本原理としており、簡便に短時間でゲノムDNAを抽出することができます。
●安全
有害なフェノール/クロロホルム処理を必要としません。
●高純度のゲノムDNA精製が可能
抽出されたゲノムDNAは、さまざまな実験に直接使用することができます。
●さまざまなサンプルに対応
全血、動物培養細胞、動物組織、及びマウステールなどから直接ゲノムDNAを抽出することができます。
原理
実施例
1.収量と純度の検討
全血100μLから、本キットと他社キットを用いてゲノムDNA抽出を行いました。本キットによる抽出においては、他社キットとほぼ同等の収量が得られました。また、純度においては、A社やC社のキットではタンパク質やRNA等の不純物の混入が認められましたが、本キットでは認められませんでした。本キットを使用することによって、全血などの生体サンプルから高純度のゲノムDNAを抽出することができました。
2.抽出DNAのPCR例
10人の血縁関係のない健常人から採取した全血100μlから、本キットを用いてゲノムDNAを抽出しました。その結果、A260nm/280nmが1.83〜1.84の高純度のゲノムDNAを、約1.4〜2.2μg抽出することができました。
次に、ゲノムDNA抽出後、全量の1/20を使用してTaq DNA PolymeraseによりシングルローカスVNTR部位であるMCT118をターゲットにPCR解析を行いました。MCT118は、16塩基の繰り返し配列からなり、この繰り返し数を測定することで個人識別を行うことができます。その結果、各個人に特異的なバンドを検出することができました。
3.ラット組織からのゲノムDNAの抽出、およびPCR解析例
-80℃凍結切片5mgを本キットの溶解・吸着液中でホモジナイズした後、その遠心上清から、本キットを用いてゲノムDNAの抽出を行いました。その結果、それぞれ2.3μg、1.6μgのゲノムDNAを得ることができました。260nm/280nmはそれぞれ1.86、1.83でした。また、抽出したDNAを用いてTaq DNA PolymeraseによりTNF-α遺伝子(482bp, 1226bp)を増幅した結果、良好な結果を得ることができました。
参考文献
1)B. Vogelstein and D. Gillespie, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:615-619(1979)
2)R. Boom et al., J. Clin. Microbiol., 28: 495-503(1990)
- 製品内容
【NPK-101】 溶解・吸着液 100mL×1本 洗浄液 200mL×1本 磁性ビーズ 5mL×1本 【NPK-102】 溶解・吸着液 500mL×1本 洗浄液 500mL×2本 磁性ビーズ 25mL×1本
*キットの他に以下の試薬が必要です。
滅菌水
エタノール
- 注意事項
溶解・吸着液と洗浄液には、高濃度のタンパク質変性剤が含まれていますので、取扱いには十分注意し、手袋を着用するなどの防護措置を講じてください。万一、試薬が手などの皮膚に付着した場合には、十分に水洗を行い、また、目に入った場合には水洗を行った後に医師の手当を受けてください。
また、10%を超える高濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液などの酸化作用のある物質と混合した場合、有毒ガスが発生する可能性がありますので、混合しないでください。
- 基本反応条件
本キットは、以下のステップによって高純度のゲノムDNAの抽出を行います。
1) サンプルにカオトロピック剤を含む溶解・吸着液を添加し、サンプル中の細胞を溶解します。
2) 磁性シリカビーズを添加、混合することにより、サンプル中のDNAをシリカ表面へ吸着させます。
3) 2種類の洗浄液を使用してビーズを洗浄し、不要なタンパク質、RNA、塩などを除去します。
4) 滅菌水又は低塩濃度のバッファーなどを使用して、ビーズからDNAを溶出し、回収します。
- 備考
MagExtractor™シリーズの各キットに含まれる磁性ビーズは、それぞれ組成が異なるので、他のキットの磁性ビーズを流用することはできません。
- ワンポイントアドバイス
●磁性ビーズの分離について
本キットをマニュアルで使用する場合、磁気ビーズ分離用スタンド「Magical Trapper®」を用いると簡便です。磁気ビーズ分離用スタンドの代わりに簡易卓上遠心機によっても分離を行うことが可能です。
●PCRへのサンプルの持ち込み量
回収されたゲノムDNA溶液には、若干のエタノールが含まれるため、PCRのサンプルとしては、反応液の1/5以下で使用することをお勧めします。エタノールを蒸発させるには、回収液を75℃で5分間加熱します。
●抽出に使用するサンプル量
過剰なサンプル量は収率の低下を招きます。適正なサンプル量で使用することをお勧めいたします。
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トラブルシューティングは
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English Page
- ※ 法規制について
- 毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
- 国: 国民保護法[毒素]
- 劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
- 組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
- 危: 消防法[危険物]
- 生物の多様性の確保に関する法律)
- P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
- 申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
- 労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
- なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品