高効率・高成功率PCR酵素

KOD FX Neo

TOYOBO

価格表

Code No. 包装 価格(税別) 保存温度 説明書
仕様書
SDS 法規制
KFX-201 200U×1本(200回用) ¥35,000 -20℃ なし
KFX-201X5 (200U×1本)×5 ¥140,000 -20℃ なし
KFX-201X10 (200U×1本)×10 ¥260,000 -20℃ なし

用途

● PCR

説明

KOD FX Neoは、高成功率PCR酵素KOD FXに新たに開発した「伸長エンハンサー」を応用したPCR酵素です。

高い増幅効率を保持しつつ、難配列・微量な鋳型DNA・長いターゲット・クルードサンプルからの増幅効率がさらに向上しています。

特長

●伸長性アップ
・ゲノムDNAを鋳型として最大40kbの増幅が可能
・30 sec./kbの高速サイクルを実現(クルードサンプルでは1min./kbをお勧めしております)
・高GCターゲットなどの難配列の増幅に最適
また、抗体を用いるホットスタート法にも対応しており、特異性良く増幅することができます。

●クルードサンプルからの増幅性能アップ
・植物ライセートやマウステールなどからの増幅効率を向上
・土壌成分や食品成分などのPCR阻害効果を低減
・従来品同様、グラム陽性菌や酵母、カビなどからの直接PCRが可能

原理

KOD DNA polymeraseは、優れた伸長性を有し、クルード成分の阻害に強いといった特長を持っています。
KOD FXは、この特性を利用して開発された高成功率PCR酵素であり、難配列やクルードサンプルからの増幅などにご好評いただいています。しかし、KOD FXをはじめ従来のPCR酵素は20~30サイクル以降、増幅が持続しなくなる〈プラトー現象〉が生じ、PCR機能が完全には発揮できていませんでした。

「KOD FX Neo」は、KOD FXの技術に、弊社で新たに開発した「伸長エンハンサー」などの技術を応用することで、〈プラトー現象〉を抑え、長いターゲットや難配列ターゲット、クルードサンプルなどからの増幅効率をさらに向上させることに成功しました。
 

実施例

1. 増幅長の比較

KOD FX Neo及び従来品を用いて、ヒトゲノムDNAを鋳型に長鎖ターゲットの増幅を行いました。その結果、KOD FX Neoを用いた場合のみ、今まで増幅が困難であった40kbの増幅を確認することができました。また、KOD FX Neoでは従来品に比べ、伸長時間を半分(30sec./kb)で行うことが可能です*。そのため、反応時間を大幅に短縮することが出来ました。
*クルードサンプルでは1min./kbで実施することをお勧めしております。



 

2. 検出感度の比較

ヒトゲノムDNAを鋳型として検出感度の比較を行いました。
その結果、KOD FX Neoは、従来品に比べ約一桁感度の向上を認めました。


 

3. 増幅の比較

アルカリ溶解法を用いて調製したマウステールライセートをサンプルとして、3種類のマウス遺伝子の増幅を行いました。その結果、KOD FX Neoでのみ全ターゲットについて良好な増幅が認められました。このようにKOD FX Neoではサンプルを直接PCRに持ち込むことが可能であり、煩雑な精製を省略することが可能です。



96ウェルPCRプレートを用いるマウステール処理法(アルカリ溶解法)
マウステール(3 mm程度)を96穴プレートに入れる
↓←50 mM NaOH 180μLを加え、蓋をしてVortexにて良く攪拌する
↓スピンダウン(軽く振って液を下に落とす程度でも問題ありません)
↓95℃, 10 min.インキュベート(サーマルサイクラーを使用)
↓←1 M Tris-HCl (pH 8.0)  20μLを加え、蓋をしてVortexにて良く攪拌する
↓スピンダウン(軽く振って液を下に落とす程度でも問題ありません)
上清(テンプレート) ⇒ 0.5〜2μLをPCR反応液50μLに添加


※マウステール切片は、液に浸るようにカットしてください。
※熱アルカリにご注意ください。
※処理後、マウステールは完全には溶解しません。マウステールの表面が溶ける程度です。
※本方法は、1.5mLマイクロチューブなどを用いても可能です。

 

※その他の実施例

 実施例4: フミン酸添加実験
 実施例5: ワンステップ法で調製した植物のライセートからの増幅
 実施例6: ジャム(食品)添加実験
 実施例7: コンポスト(堆肥)を用いたメタゲノム解析
 実施例8: マウス爪を用いたダイレクトPCR
 実施例9: ES細胞での遺伝子組換え判定

参考文献

<製品使用文献>
Tanabe Y. and Kakui K.,  Zootaxa 4648 (2): 318–336(2019)


製品内容
KOD FX Neo(1U/μL) 200μL×1本
2×Buffer for KOD FX Neo*[KFX-2B]
  1.7mL×3本
2mM dNTPs[NTP-201]  1mL×2本

*終濃度2.0mMのMg2+を含有します。

※50μLで反応を行なった場合、200回用としてご使用になれます。
 

活性の定義:
75℃において、30分間に10nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性画分に取り込む酵素量を1Uとします。

起源:
E.coli 組換体

注意事項

PCRには製品に添付されているdNTPsまたは別売りのdNTPs Mixture (2mM) [NTP-201]をご使用ください。他のdNTPsでは、十分な性能が得られない場合があります。

基本反応条件

滅菌蒸留水  XμL
2×PCR buffer for KOD FX Neo  25μL
2mM dNTPs  10μlL
10pmol/μL Primer F  1.5μL
10pmol/μL Primer R  1.5μlL
KOD FX Neo(1.0U/μl)  1μL
Genomic DNA  10~200ng
Plasmid DNA  1~50ng
cDNA  ~200ng(RNA相当)
クルードサンプル  ~2μlL〈ワンステップ法の植物ライセートは1μL〉
Total 50μL
〈2ステップサイクル〉*
94℃, 2min.

98℃, 10sec. 
68℃, 30sec./kb 25~45 cycles

〈3ステップサイクル〉*
94℃, 2min.

98℃, 10sec. 
Tm℃, 30sec. 
68℃, 30sec./kb 25~45 cycles

〈ステップダウンサイクル〉*
94℃,2min.

98℃,10sec. 
74℃,30sec./kb 5 cycles 

98℃,10sec. 
72℃,30sec./kb 5 cycles 

98℃,10sec. 
70℃,30sec./kb 5 cycles 

98℃,10sec. 
68℃,30sec./kb 15~30 cycles

68℃,7min.

*2ステップサイクルを基本としています。プライマーのTm値が68℃未満または2ステップサイクルで増幅が見られない場合は、3ステップサイクルをお試しください。また、10kb以上のターゲットを増幅するLong PCRやエキストラバンドあるいはスメアが見られた場合には、ステップダウンサイクルをお試しください。

プライマーのTm値の計算は、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)を用いております。プライマーのTm値計算表(EXCEL)は、こちらからダウンロードいただけます。

<アルカリ溶解法>
1) マウステール(約3mm)をマイクロチューブへ入れる。
2) 50mM NaOHを180μL添加。
3) Vortexにてよく攪拌。
4) 95℃・10min.
5) Tris-HC(l pH8.0)を20μl添加。
6) Vortexにてよく攪拌。
7) 遠心(12,000rpm, 10min.)
8) 上清0.5~2μLをPCR反応液に添加。
(マウステールは完全には溶解しません)

<ワンステップ法>
1) 葉(3mm角)または精米(1粒)をマイクロチューブへ入れる。
2) Buffer A*を100μL添加。
3) Vortexにてよく攪拌。
4) 95℃・10min.
5) Vortexにてよく攪拌。
6) 遠心(12,000rpm, 10min.)
7) 上清1μLをPCR反応液に添加。
(植物組織は完全には溶解しません)

*Buffer A:
  100mM Tris-HC(l pH9.5)
  1M KCl
  10mM EDTA

ワンポイントアドバイス

●PCR産物のクローニング
本酵素のPCR産物は平滑化されているため、平滑末端クローニング法によってクローニングできます。
その際、ベクター側を脱リン酸化処理している場合、リン酸化を行ったPCR産物を用いるか、リン酸化プライマーを用いて増幅したPCR産物を用いる必要があります。
また、本酵素のPCR産物は平滑化されているため、そのままではTAクローニングすることはできません。専用の高効率TAクローニングキット「TArget CloneTM -Plus-」を用いると簡便・高効率にTAクローニングが可能です。

●プライマーについて
10kbを超えるターゲットを増幅する場合には、カートリッジ精製以上のグレードで、27mer以上のプライマーの使用をお薦めします。また、3'側にミスマッチのあるプライマーは、本酵素によって校正を受ける場合があります。


プライマーのTm値の計算は、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)を用いております。プライマーのTm値計算表(EXCEL)は、こちらからダウンロードできます。

●DNA末端平滑化に用いる場合はこちらをご覧ください。

FAQはこちら →

   トラブルシューティングは
こちら

English Page


※ 法規制について
毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
国: 国民保護法[毒素]
劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
危: 消防法[危険物]
   生物の多様性の確保に関する法律)
P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品

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