実施例
KOD FX Neo 実施例8 マウス爪を用いたダイレクトPCR
微量かつクルードなサンプルの実施例としてマウスの爪からの直接PCRを実施しました。
マウスのジェノタイピングでは通常、血液や尾を使用しますが、マウスを傷つけてしまうという欠点がありました。爪を用いることでマウスを傷つけることなくジェノタイピングが可能になります。その方法を紹介いたします。
【サンプル】マウス爪
●採取方法
マウス爪は写真のように一指から採取しました。(爪の大きさはごく微量で十分です。目安としては鉤爪(かぎづめ)の先端を切り取る程度です。)
【遺伝子名・ターゲット】
・Mouse TATA box binding protein (TBP) 0.5 kb
・Mouse transferrin receptor (Tfr) 1.5 kb
・Mouse membrane glycoprotein (Thy-1) 2.6 kb
【プライマー配列】
Mouse TBP F : CAGTTGCTACTGCCTGCTGTTGTT
Mouse TBP R : GCTAGGATTAAAGACGTGCCACCA
Mouse Tfrc F : TGTGGAGGGTCAACGTGGTAGTT
Mouse Tfrc R : GTGACATTCTCAGGTGGCAGCTT
Mouse Thy-1 F02: CCACAGAATCCAAGTCGGAACTCTTG
Mouse Thy-1 R05: GTAGCAGTGGTGGTATTATACATGGTG
【反応条件】
DW 11 μL
2×Buffer for KOD FX Neo 25 μL
2mM dNTPs 10 μL
10 pmol/μL Primer F 1.5 μL
10 pmol/μL Primer R 1.5 μL
KOD FX 1.0 μL
50 μL
【PCRサイクル】
KOD FX・KOD FX Neo:
94℃, 2 min.
(98℃, 10 sec., 68℃, 1min./kb) ×35 cycles
他社クルードサンプル対応PCR酵素では、取扱説明書推奨の条件にてPCRを実施しました。サイクルはKOD FX Neoと同じく35サイクルで行いました。
【実験結果】
PCR産物を、2%アガロースゲルに5μLアプライして解析を行いました。その結果、KOD FX、KOD FX Neoでのみ増幅が確認で きました。なお、KOD FXとKOD FX Neoを比較すると、KOD FX Neoを用いた方が増幅量が多い結果となりました。爪に含まれ るDNAは微量とされています。KOD FX Neoを用いれば、このような微量テンプレートからでも十分増幅が可能でした。
【コメント】
マウスの爪(toe)はマウスを傷つけることなく簡単に採取できるため、ジェノタイピングを行う上での最適な材料の一つです。KOD FXシリーズを用いることにより、マウス爪から高効率なPCRを行うことが可能です。
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