DNA末端平滑化プロトコール1
以下のプロトコールのDNAの末端の平滑化には、「KOD DNA Polymerase」 [Code No. KOD-101]、ライゲーションには、「Ligation high」 [Code No. LGK-101] を使用します。「KOD DNA Polymerase」 [Code No. KOD-101]以外のKOD系DNA polymeraseを用いた平滑化プロトコールはこちら。
(1) 平滑化反応液を以下の通り調製します。
反応液を調製する前に各試薬を十分攪拌してからご使用ください。凍結している試薬は完全に融解してください。
* 「KOD DNA Polymerase」 [Code No. KOD-101]のパーツです。
全ての液を添加した後、反応液をボルテックスなどで十分攪拌してからサーマルサイクラーにセットしてください。
(2) 72℃、2min.インキュベートします。
(3) 氷中で冷却します。
(4) 反応液をそのままライゲーション反応に使えます。
(ライゲーション反応の例)
16℃、1hrインキュベートします。
※平滑化処理をうまく行うために
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① エタノール沈殿などで、TEバッファーに置換したDNAの使用を標準的な操作としていますが、次の方法でも可能です。
<制限酵素処理したDNAの場合>
H,M,L,TAバッファーを用いた反応液であれば、反応液をそのままDNA溶液として用い、上の反応組成で平滑化処理できます。
<Taq系DNA polymeraseを用いてPCRを行った産物の場合>
PCR後の反応液を一部取り、KODを添加し、72℃,2min.処理します。
このとき、KODは、Taq DNA polymeraseと同じUnit数を加えます。
10× Buffer #1、25mM MgCl2、2mM dNTPsの添加は必要ありません。
dNTPsは、反応時の濃度で0.2mMが至適ですので、不足している場合は追加します。
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② DNA末端10pmolを処理できます。直鎖状pUC18 DNA2.7kbであれば、約10μgに相当します。
- ③ 反応液を調製するとき、KODを最後に加えてください。dNTPsが共存しない環境下ではKODの 3'→5’exonucleaseが強く作用し、過剰にDNAを削ることがあります。
- ④ 72℃,2min.で充分な平滑化反応が行われます。また、標準の反応条件であれば、30min.まで時間を延長しても効率は変わりません。