実施例
KOD FX 実施例6 真核細胞最長DMD遺伝子(13.5Kb)のPCRクローニング
ヒトジストロフィン(DMD)遺伝子は、真核細胞における最も長いmRNAの一つです。ここでは、KOD FXを用いて本遺伝子の全長クローニングを行った例をご紹介します。
【実験方法】
逆転写反応
1st Strand 合成キット:ReverTra Ace -α-® [ Code No. FSK-101] ]
RNA :Human Adult Skeletal Muscle total RNA [ Code No. CA1H60 ] 1μg / 20μL反応系
逆転写Primer: Oligo (dT)20 primer [ Code No. FSK-201 ]
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PCR
Primer F: GATGGCCTTGTTGGCCTACTGGAGCAATAAAGTTTGAAGAACTTTTACCAGG
Primer R: GACGGCCTATGTGGCCACAACACGAAATAATGTCCAAATTAATTATGC (下線部はSfi Iサイト)
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アガロースゲル電気泳動による増幅産物の確認
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残りのPCR増幅産物をMagExtractor™ -PCR & Gel Clean up- [ Code No. NPK-601 ]を用いて精製
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制限酵素Sfi I によるPCR産物の消化
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アガロースゲル電気泳動による分離、切り出し、DNA回収
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予めDra IIIでカットしたPlasmid Vector pME13SFL3とligation
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大腸菌コンピテントセルDH5α [ Code No. DNA-903 ]を形質転換
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形質転換体4クローンをシーケンシングにより配列確認
【結果および考察】
シーケンシングの結果、5クローン中1クローンにおいて、PCRエラーによる変異のないDMD遺伝子の全長を取得することができました。PCRエラーによるミス塩基の取り込み頻度(エラー率)は、実際にシーケンシングにて解析した144,535塩基中、わずか19塩基でした。このエラー率から、KOD FXはTaqや他社Long PCR用酵素の約10倍正確性が優れているといえます。