高効率RNA合成キット
ScriptMAX® Thermo T7 Transcription Kit
TOYOBO
価格表
用途
●環状および直鎖状DNA鋳型からのin vitro translation反応系用のmRNAの合成
●tRNA、rRNA、リボザイム、アンチセンスRNA等の大量合成
●RNAi用の二本鎖RNAの合成
●RNAスプライシング反応の前駆体の合成
●ハイブリダイゼーションアッセイ用の高標識RNAプローブの合成
説明
熱安定性の向上したRNA合成酵素「Thermo T7 RNA Polymerase <<TT7>>」[Code No.TRL-201]をベースに、RNA合成量を大幅に向上させた高効率RNA合成キットです。
本キットは、添付のAccelerator Solutionを添加することにより、従来法の2~4倍濃度のRNAを得ることができます。更に、本キットに用いられているThermo T7 RNA Polymeraseは、熱安定性が高いため、幅広い温度領域で反応が可能であり、また37℃においても比活性が向上しています。
特長
●高効率
Accelerator Solutionを添加することにより、従来法に較べ、2~4倍の収量でRNAの合成が可能です。
●優れた耐熱性
Thermo T7 RNA Polymerase <<TT7>>を用いており、野生型T7 RNA Polymeraseを用いたキットよりも、幅広い温度領域で反応できます。
●無細胞蛋白質合成用のmRNA合成に最適
実施例
1.従来法とのRNA合成量の比較
T7プロモータを有する直鎖状DNAを鋳型として、ScriptMAX®及びA社T7 RNAポリメラーゼによりRNA合成反応を行いました。反応は20μLの反応系で500ngの鋳型を用い、37℃で2時間行いました。反応後、合成RNAを変性条件で1%TAEアガロースゲルにて電気泳動、解析を行いました。その結果、従来法に比べ、合成効率が大幅に向上していることが確認できました。
2.各in vitro Transcription Kitの合成温度とRNA合成量の比較
参考文献
1)K. Ishikawa et al., Nucl.Acids Res., 33: e112(2005)
2)M. Itoh et al., Nucl. Acids Res.,30: 5452-5464(2002)
3)M. Chamberlin and J. Ring,J. Biol. Chem., 248: 2235(1973)
4)M. Chamberlin and J. Ring, J.Biol. Chem., 248: 2245(1973)
- 製品内容
Thermo T7 RNA Polymerase 60μL
10×Basal Reaction Buffer 400μL
5×Accelerator Solution 400μL
25mM rNTPs Mixture 280μL
RNase Inhibitor(40U/μL) 30μL
Nuclease-free Water(not DEPC treated) 1mL
- 基本反応条件
〈プロトコールA〉
●直鎖状DNAからのmRNA合成
●tRNA、rRNA、リボザイム、アンチセンスRNA等の大量合成
●RNAi用の二本鎖RNA合成
10x Basal Reaction Buffer 2μL
5× Accelerator Solution 4μL
25mM rNTPs Mixture 4.5μL
RNase inhibitor 0.5μL
Template DNA 0.1-1.0μg
Thermo T7 RNA polymerase 1μL
Total Volume 20μL
↓
37-42℃, 2hr.
〈プロトコールB〉
●環状DNAからのmRNA合成
●リボプローブなど、特異性の高いRNAの少量合成
10× Basal Reaction Buffer 2μL
25mM rNTPs Mixture 2μL
RNase Inhibitor 0.5μL
Template DNA 1-2μg
Thermo T7 RNA Polymerase 1μL
Total Volume 20μL
↓
37-42℃, 2-4hr.
- 備考
本キットに添付の10×Basal Reaction Bufferは、Thermo T7 RNA Polymerase [Code No.TRL-201]に添付のものとは組成が異なります。
- ワンポイントアドバイス
●鋳型DNAについて
鋳型のプラスミドDNAは、精製度の高いものを使用します。特にプラスミド抽出でRNaseを使用した場合には、フェノール・クロロホルム処理等でRNaseを除去しておいたほうが良い結果を得ることができます。 また、本キットは直鎖状、環状いずれの鋳型からもRNAの合成を行うことができますが、転写産物の特性がそれぞれで異なること場合があり、RNAの使用目的に応じて選択する必要があります。
●反応温度について
本キットに添付されているThermo T7 RNA Polymeraseは、野生型のT7 RNA polymeraseと比較して、高温域での活性半減期が長くなっています。本キット推奨の反応時間(2時間)より短時間での反応を行う際は、より高い温度での反応を行うことで合成RNA収量が向上する場合があります。また、高い温度での反応を行うことで、鋳型DNAの立体構造障害の影響が減少し、合成RNA収量の改善を期待することができます。
- ※ 法規制について
- 毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
- 国: 国民保護法[毒素]
- 劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
- 組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
- 危: 消防法[危険物]
- 生物の多様性の確保に関する法律)
- P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
- 申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
- 労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
- なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品