実施例
KOD One 実施例18 フミン酸耐性の確認
フミン酸(humic acid)とは、腐植土や土壌などに存在する赤褐色または黒褐色の有機物であり、PCRを阻害することが知られています。通常行われるDNAの精製ではこのフミン酸は除くことはできません。そのため、環境・生態系サンプルを鋳型としたPCRはとても難しいとされています。
そこで KOD One® PCR Master Mix および各種PCR酵素を用い、フミン酸含有下でヒトゲノムからヒトβ-globin遺伝子の増幅確認を行いました。
【サンプル】 ヒトゲノムDNA
【ターゲット遺伝子名と長さ】
HBB / 1.3kb
【プライマー配列】
Forward Primer : TTAGGCCTTAGCGGGCTTAGAC
Reverse Primer : CCAGGATTTTTGATGGGACACG
【反応条件】
(1) 反応液組成 | (μL) | (2) サイクル条件 | ||||
滅菌蒸留水 | Y | 98℃, 10sec. | 30cycles | |||
KOD One® PCR Master Mix | 10 | 60℃, 5sec. | ||||
10pmol/μL Primer F | 0.6 | 68℃, 7sec. | ||||
10pmol/μL Primer R | 0.6 | (5sec. / kb) | ||||
OD280=1 フミン酸 | X | |||||
4ng/μL ヒトゲノムDNA | 1 |
※KOD One® PCR Master Mix以外の |
||||
Total Volume | 20 |
【結果】
KOD One® PCR Master Mix を用いた場合は、フミン酸の量にかかわらず増幅が見られ、高速PCR条件下においても高いフミン酸耐性を示す結果となりました。
M : 1kb DNA Ladder
フミン酸添加量(X)
Lane 1 : 0μL, Lane 2 : 1μL, Lane 3 : 2μL, Lane 4 : 3μL, Lane 5 : 4μL, Lane 6 : 5μL, Lane 7 : 6μL, Lane 8 : 7μL
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