Uracil-DNA Glycosylase (UNG), Heat-labile
TOYOBO
価格表
用途
●dUTPを用いて増幅したPCR産物の分解
説明
PCRにおいて、前に行ったPCRの増幅産物が紛れ込んだことにより、サンプル由来以外のDNAを鋳型として増幅が起こることをキャリーオーバーコンタミネーションといいます。このようなケースでは、Negative Controlからもターゲット遺伝子の増幅が見られ、偽陽性が生じたり、定量PCRを行った場合は過剰評価をしてしまうことがあります。
PCRを実施する際に、あらかじめdUTPを含むdNTPsを用いて行い、次にPCRを行う前に本製品で処理をすることで、キャリーオーバーコンタミネーションを防止することが可能です。
特長
●PCRのキャリーオーバー対策・偽陽性の防止に有用
●高い熱感受性のため、PCRだけでなく、RT-PCRにも使用可能(RT反応は、42℃以上で行ってください。)
原理
Uracil-DNA Glycosylase (UNG)は、デオキシシリボースとウラシル塩基の間のN-グリコシド結合を加水分解して脱塩基部位を形成します。脱塩基部位をもったDNAは熱により分解するため、PCRの鋳型にはなりません。 dUTPを用いて増幅したPCR産物のみUNGにより分解されるため、テンプレートDNAの増幅には影響することなくキャリーオーバーコンタミネーションしたPCR産物のみ分解します。
また、本製品は熱感受性が高いため、逆転写反応(42℃以上)やPCRの初期変性により失活し、その後の反応には影響を及ぼしません。
実施例
1. PCR産物分解能の確認
dTTPの代わりにdUTPを含むdNTPs [Code No. NTP-501] を用いてPCRを実施。PCR産物100ngに本製品を添加してUNG反応を行ったのち、電気泳動を行いました。その結果、37℃、10min. でPCR産物が分解されていることが確認できました。
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2. キャリーオーバーコンタミネーション防止効果の検証
飛沫した増幅産物が次のPCRに混入したケース(キャリーオーバーコンタミネーション)を想定し、増幅産物の希釈液を鋳型としUNG処理後、同ターゲットの検出を行いました。その結果、UNG処理ありでは、1回目のPCRの増幅産物が分解され、2回目のPCRでは増幅が認められませんでした。
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3. UNG処理後のPCR増幅産物の安定性
UNG添加後にPCRを行った場合、UNGがPCR中に完全に失活されていないと解析前にPCR産物が分解されてしまう可能性があります。そこでUNGがPCRサイクル中に完全に失活するか確認した結果、本製品は失活しており、PCR増幅産物の分解は認められませんでした。
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M:100bp DNA Ladder |
4. UNG処理によるRT-PCR反応への影響
UNG 2UをTHUNDERBIRD® Probe One-step qRT-PCR Kit [Code No. QRZ-101] のRT-PCR反応液に添加し、UNG処理を行った後、リアルタイムRT-PCRにてエンテロウイルスRNAの検出を行いました。その結果、熱感受性のUNGを使用しない場合、Ct値の遅れが認められましたが、本製品を使用した場合は、Ct値の遅れが認められませんでした。
- 製品内容
Uracil-DNA Glycosylase (1U/μL) 200μL×1本
形状:
20mM Tris-HCl, pH 7.5 50mM NaCl 1mM DTT 0.1% Tween20 50%(v/v) Glycerol
※Glycerolフリー品もございます。
活性の定義:
dsDNA中の1nmolのdUを37℃・1時間の反応で分解できる酵素量を 1Uとしています。
- 基本反応条件
0.4U/20μL または、1.0U/50μL
25℃、10min.
- ※ 法規制について
- 毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
- 国: 国民保護法[毒素]
- 劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
- 組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
- 危: 消防法[危険物]
- 生物の多様性の確保に関する法律)
- P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
- 申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
- 労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
- なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品