大腸菌由来脱リン酸化酵素
E.coli Alkaline Phosphatase
TOYOBO
価格表
用途
●クローニングベクターのセルフライゲーション防止
●Kinaseによる[γ-32P]ATPを使ったDNA/RNAの5'端の標識の前処理
説明
本酵素は、分子量80,000~90,000、等電点(PI)=4.5、至適pH8.0であり、DNA及びRNAのリン酸モノエステル結合を加水分解する活性を示します。
ジリン酸エステル結合やトリリン酸結合には作用しませんが、ATP等のピロリン酸結合には加水分解活性を示します。阻害剤としては、キレート剤や無機リン酸が知られています。
本酵素は、ライゲーション反応にDNA断片の5‘末端のリン酸基が必要であることを利用して、制限酵素処理したベクターを脱リン酸化処理することによるセルフライゲーションの防止などに用いられます。
また、5‘末端標識プローブを作製するときに、あらかじめプローブの5’端のリン酸基を除去することによる、Kinaseと[γ-32P]ATPを用いる標識の効率の向上などにも用いられます。
特長
●高い耐熱性
本酵素は高い耐熱性を示し、平滑末端を有するDNA断片などの高温での長時
間の処理に適しています。
原理
参考文献
1)T. W. Reid and I. B. Willson, The Enzymes(3rd Ed.), 4: 373
2)A. Gaven and C. Levinthal, Biochem. Biophys. Acta., 38:470(1960)
3)K. Yoda et al., Agric. Biol.Chem., 44: 1213(1980)
- 製品内容
E.coli Alkaline Phosphatase (0.1-1U/μL)
10×Buffer[BAP-1R]
形状:
50mM Tris-HCl (pH7.5)
50% Glycerol
10×Buffer [Code No. BAP-1R]組成:
500mM Tris-HCl (pH8.0)
10mM MgCl2
活性の定義:
25℃、1分に1M Tris-HCl(pH8.0)中で1μmoleのp-Nitorophenyl phosphateを加水分解する酵素量を1Uとします。
起源:
E.coli K12 SW1033/pk 1-5
純度:
本酵素1.875Uと1μgのλDNA/HindⅢ分解物とを、37℃で16時間反応させてもDNAの電気泳動パターンは変化しません。
本酵素1.875Uと2μgのtRNAとを37℃で16時間反応させてもtRNAの電気泳動パターンは変化しません。
- 基本反応条件
滅菌蒸留水XμL
DNA 0.5~2.5μg
10×Buffer 10μL
Alkaline Phosphatase 10μL
Total Volume 100μL
↓
37℃、60min.(5'突出末端)
60℃、60min.(3'突出、平滑末端)
- ワンポイントアドバイス
●反応後のサンプルの精製
本酵素は耐熱性が高く、加熱処理による失活はできません。本酵素のライゲーション等への持ち込みは、大幅な効率低下の原因となるため、反応後のサンプルはフェノール処理を行うか、キットによる精製が必要です。キットとしては、MagExtractorTM -PCR & Gel Clean up- などをお勧めします。
●Calf intestine Alkaline phosphatase との性質の比較
Calf intestine Alkaline phosphatase の実施例を参照ください。
- ※ 法規制について
- 毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
- 国: 国民保護法[毒素]
- 劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
- 組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
- 危: 消防法[危険物]
- 生物の多様性の確保に関する法律)
- P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
- 申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
- 労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
- なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品