課題解決事例
製薬会社 X社 研究開発部
PCRに研究者の時間が取られすぎて、このままでは競争力低下が心配…
今までの常識を覆したPCR。ポイントは「KOD」という酵素だった!その全容とは?
解決
解決のポイント
KODを用いたPCRキットの最新版「KOD One® PCR Master Mix」を使うことで、3時間かかっていた遺伝子増幅が、わずか1時間で完了することができた
サンプルの前処理や試薬調製の時間、手間から解放され、PCRのボトルネック解消を実現することができた
実験が効率化されたことで、論文や特許の閲覧、作成時間も捻出できた
KODの高性能さに研究者も驚いた!そのPCRキットの実力とは?
後日、東洋紡の担当者と打ち合わせたS氏。「KOD One®」を使用することでDNAの増幅を速く、簡単に実現できると聞き、大いに期待を寄せました。ポイントは、東洋紡だけが使用している酵素であるKODにあったのです。
鹿児島県の小宝島の硫気孔から分離した超好熱性アーキアThermococcus kodakarensis KOD 1株は、100℃でも生育可能。有機物をエネルギー源および炭素源として、硫黄を電子受容体にした嫌気的従属栄養生育が確認されていました。東洋紡は早くから本菌の耐熱性DNAポリメーラゼの可能性に着目し、長年にわたり、KOD DNA polymeraseを改良に改良を重ねてPCRキットに使用していたのです。そして、KODを用いたPCRキットの最新版が、KOD One® PCR Master Mixでした。
「説明を受けて、ますますKODやそれを使ったPCRキットに興味を持ちました。伸長速度は最速1sec./kbを実現していますし、最新版ということもあって、KOD One® PCR Master MixはKODシリーズの中でも最高レベルの正確性を実現しているそうです。また、クルードサンプルも精製なしで効率よく増幅が可能とのことで、すぐに使ってみたくなりました」(S氏)
S氏たちは早速、試供品を提供してもらい、毎日解析をしているサンプルをいくつか試してみることにしました。まず驚いたのは、今まで3時間かかっていたPCRが、わずか1時間で完了できたことでした。それに、このキットはマスターミックスのため、プライマーとサンプルを混ぜるだけで、経験年数に関係なく、誰でも簡単にPCRが可能でした。
さらに、従来はサンプルからDNAを精製しPCRを行っていましたが、KOD One® PCR Master Mixを使うことでサンプルを精製せずに、ダイレクトでPCRができました。
「このキットを使えば、PCRのボトルネックは解消できると実感できました。前処理の手間やPCRの待ち時間から開放されます。これで、論文や特許の閲覧・作成などにも時間が使えるようになります」(S氏)
研究開発部のメンバーにもKOD One® PCR Master Mixは高評価で、X社内での全面採用が決まりました。