課題解決事例
U大学医学部付属病院 病理学研究室
cDNA合成用のRNA調製に、多くの手間と時間を費やす研究員たち…
工程を削減して作業時間を大幅短縮。幅広く活用できるcDNA合成キットとは!
解決
解決のポイント
・RNA精製作業が不要となったことに加えcDNA合成までの工程が減り、時間の大幅削減に成功した
・細胞内のRNaseの影響が改善され、オンコロジーおよび遺伝子疾患研究など幅広い種類の細胞に対する発現解析に使用できるようになった
cDNA合成にかかるトータルの時間が30分弱にまで短縮できた!
どうすればRNA精製にかかる時間を短縮できるのか。この課題を解決するための対応策について情報収集を進めていた研究員の一人が、あるとき検索結果から東洋紡が開発した細胞から直接RNAを調製するcDNA合成キット、「SuperPrep®Ⅱ Cell Lysis & RT Kit for qPCR (以下、SuperPrep®Ⅱ)」にたどり着きます。
A研究員は「SuperPrep®Ⅱ」に興味を持ち、すぐに開発元である東洋紡に問い合わせて、担当者から詳しい話を聞くことにしました。
担当者の説明によると、この「SuperPrep®II」は、旧製品である「SuperPrep®」の改良版とのこと。さまざまな研究室から生まれる多様なニーズにできる限り応えるため、適用できる細胞種を増やし、多くの初代細胞に対応できるようになっていました。
「細胞の溶解性を向上させると共に、細胞内のRNaseが与える影響についても改善されていました。そのため、オンコロジーや遺伝子疾患研究など、幅広い種類の細胞での発現解析に使用できることがわかり、強く惹かれましたね」(A研究員)
「SuperPrep®II」を利用すると、RNA精製作業が不要となるだけではなく、cDNA合成までの工程を減らすことも可能となります。他の市販のキットと異なり、その工程の中で停止液を用いる必要もありませんでした。
U大学では、すぐに東洋紡から評価サンプルを提供してもらい、研究室内で評価を行うことにします。その結果これまでと比較して、RNA調製の時間は10分弱の短縮に成功。cDNA合成にかかるトータルの時間も、30分弱にまで縮めることができました。
「工程を削減し、時間の短縮ができただけではなく、RNase活性が強い細胞でも使用でき、私たちが想定していた以上に完成度が高いものでした」(A研究員)
A研究員はさっそく、担当教授にこの成果について報告しました。その後すぐに「SuperPrep®II」の採用が決まり、実際に数週間にわたって使用してみたところ、研究員たちが遺伝子発現解析に費やしていた手間や時間を削減することができました。
*SuperPrep® は東洋紡株式会社の研究用試薬を示す商標です。