課題解決事例

解決

キャリーオーバーコンタミネーションによる偽陽性のリスクを低減する添加剤を発見!

さまざまな関連キーワードを使ってインターネット検索を行っていたA氏は、「キャリーオーバーコンタミネーション　対策」というキーワードで見つけた、東洋紡の「Uracil-DNA Glycosylase (UNG), Heat-labile」に目を留めました。
「キャリーオーバーコンタミネーションによる偽陽性のリスクを低減できると書かれていたので、興味を持ちました。ちょうどキャンペーン中だったので、とりあえず一度、試してみることにしました」(A氏)

しかし「Uracil-DNA Glycosylase (UNG), Heat-labile」を利用するには、リアルタイムPCR試薬もdUTPを含むものに変える必要があることがわかりました。これでは従来、D社が使用していた高速リアルタイムPCR用のキットが使用できません。
そこでA氏は、東洋紡の担当者に問い合わせ、自分たちが直面している課題について相談を試みました。するとその内容を聞いた東洋紡の担当者から、高速リアルタイムPCRができ、かつUNGが使用できるリアルタイムPCRキットである「THUNDERBIRD^® Next SYBR^® qPCR Mix」が良いと教えてもらえたのです。

「THUNDERBIRD^® Next SYBR^® qPCR Mix」は、反応溶液中にdTTPの代わりにdUTPを含むため、熱不安定性UNGで処理することで前に行ったPCRの増幅産物が紛れ込んでも分解し、キャリーオーバーコンタミネーションによる偽陽性のリスクを低減することが可能であることに加え、高速PCRにも対応していました。

A氏はすぐにキットを購入し、実際に試してみました。キャリーオーバーコンタミネーションによる偽陽性のリスクを低減させるためにUNGを添加し、「THUNDERBIRD^® Next SYBR^® qPCR Mix」にてリアルタイムPCRを実施。すると増幅効率に問題なく、従来と同様な良好な増幅結果を得ることができたのです。
この結果にA氏たちは大満足。今までの苦労が吹き飛んだ瞬間でした。検討の結果、バイオ研究部ではこの2つのキットを利用したPCRを実施することが決まりました。

その後、D社の研究室内ではキャリーオーバーコンタミネーションによる偽陽性は起きていません。

*SYBR^® はThermo Fisher Scientific 社の研究用試薬の商標です。

*THUNDERBIRD^® は東洋紡株式会社の研究用試薬の商標です。

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