課題解決事例
B医科大学 微生物学研究室
マルチプレックスPCRで効率よく、高速に検出を行いたかったが、思わぬ結果に…
東洋紡が独自開発した酵素により、増幅効率が高く、バラつかないPCRを実現!
解決
解決のポイント
・リアルタイムPCRに用いられる汎用性酵素のTaq DNA Polymeraseと比べ、東洋紡独自開発の酵素は増幅効率が高く、高速サイクルでのPCRの増幅に効果を発揮
・同一反応内でコントロール遺伝子と標的遺伝子を検出でき、迅速、簡便に正確性の高い遺伝子定量が可能
・検体量が少量であっても、高い検出精度を実現
・煩雑だった試薬の準備もキットの使用で大幅に簡素化され、検出にかかる作業が一気に効率化された
決め手は、独自開発の酵素を使用したキット!今まで山積した問題が、一気に解決へ
情報収集を行っていたN氏は、Web検索の結果にでていた、東洋紡の「Hot Start TTx® (DNA) Kit」に目が留まります。内容を確認したところ、今の問題を解決できる可能性を秘めていたことから、すぐに問い合わせてみました。
後日、N氏のもとを訪れた東洋紡の担当者によると、Hot Start TTx® (DNA) Kitに使用されているTTx® DNA Polymeraseは、東洋紡独自開発の酵素を使用。この酵素は、リアルタイムPCRでよく用いられる汎用性酵素のTaq DNA Polymeraseと比べ、増幅効率が高く、高速サイクルでのPCR増幅に効果を発揮すると説明されます。
「この増幅効率の良さを生かせば、マルチプレックスPCRでの使用が可能になると思いました。同一反応内でコントロール遺伝子と標的遺伝子を検出でき、迅速、簡便に正確性の高い遺伝子定量が可能になるそうです。また心配していた検体量も、少量であっても、高い検出精度を誇っていることも分かり、不安は一気に吹き飛びました」(N氏)
サンプルを提供してもらったN氏たちは、すぐにこのキットを使って検出の試験を行いました。すると、結果は説明の通りで、マルチプレックスPCRは安定した結果が出せただけでなく、検出にかかる時間も大幅に短縮されたのです。また、これらの結果を見た関係部署の研究員も、みなHot Start TTx® (DNA) Kitの実力に驚いていました。一方で、煩雑だった試薬の準備もキットの使用で大幅に簡素化され、検出にかかる作業を一気に効率化できました。
また、N氏たちはしばらくして、逆転写反応とPCRを同一の酵素で行うことが可能な「Hot Start TTx® (RNA) Kit」を東洋紡の担当者から紹介されます。このキットは、GCリッチあるいは高次構造をとりやすいターゲットの増幅に活用しています。
*「TTx®」は東洋紡(株)のTTx® DNA Polymeraseを使用したリアルタイムPCR用試薬を示す商標です