マルチプレックスPCR・バイサルファイト処理DNA用高正確性PCR酵素

KOD -Multi & Epi-®

TOYOBO

価格表

KOD -Multi & Epi-®

Code No. 包装 価格(税別) 保存温度 説明書
仕様書
SDS 法規制
KME-101 200U×1本(200回用) ¥35,000 -20℃ なし
KME-101X5 (200U×1本)×5(1,000回用) ¥140,000 -20℃ なし
KME-101X10 (200U×1本)×10(2,000回用) ¥260,000 -20℃ なし

用途

●マルチプレックスPCR
●バイサルファイト処理DNAの増幅

説明

KOD -Multi & Epi-® は、遺伝子改変型KOD DNA ポリメラーゼ(UKOD)を用いて開発された高正確性PCR用酵素です。
改変により、今まで困難だったウラシルを多く含む鋳型やイノシンを含むプライマーなどを用いることができるようになりました。更に、伸長アクセラレーター等の添加により、伸長性が向上することで配列や増幅サイズなどによる増幅バイアスを受けにくくなりました。
よって、KOD -Multi & Epi-®は、マルチプレックスPCRやバイサルファイト処理後のDNAの増幅(エピジェネティクス解析)、メタゲノム解析などさまざまな用途に用いることが可能です。
また、本酵素はTaqポリメラーゼの約11倍の正確性を示すため、得られた増幅産物はクローニングを介した従来のシーケンス解析や次世代シーケンスなどに幅広く用いることが可能です。

特長

●均一な増幅(低バイアス)
1kb以下の短鎖のターゲットから10kb前後の長鎖のターゲットまでの幅広い範囲で特異的かつ均一なマルチプレックスPCRを行うことができます。GCの偏りによる増幅への影響を最小限に抑えており、ゲノムやトランスクリプトームのさまざまな領域を均一に増幅することが可能です。
この特性を活かし、次世代シーケンサー解析に使用する増幅産物の調製にも使用することができます。

●ウラシルを多く含むDNAからの増幅
バイサルファイト処理後のウラシルを多く含むDNAから高い効率で増幅を行うことができます。最大で約1.5kbの増幅を確認しています。 

●イノシンやウラシルを含むプライマーに対応
従来の高正確性PCR酵素では、イノシンやウラシルを含むプライマーを用いる解析が困難でしたが、KOD -Multi & Epi- ®はそれらのプライマーを用いて解析することができます。 

●高正確性
Taqポリメラーゼの約11倍の正確性(KOD FX Neoと同等)を示し、増幅産物をさまざまな用途に用いることができます。

●クルードサンプルに対応
クルードサンプルの影響を受けにくく、動植物のライセートからのジェノタイピングや土壌、食品サンプルなどからの増幅などにも用いることが可能です。

●高効率
伸長アクセラレーターを添加することでPCR効率が向上し、シングルプレックスPCRでは伸長時間を最短で15sec./kbまで短縮することが可能です。

※クルードサンプルやバイサルファイト処理を行ったDNAサンプルを用いる場合や長鎖のマルチプレックスPCRを行う場合は、効率を優先するため30~60sec./kbを推奨する場合があります。
詳しくは取扱説明書をご覧ください。

実施例

1. マルチプレックスPCR性能比較

精製したヒトゲノムDNAおよび血液サンプルを用いて、1kb以下、および1~10kbの複数のターゲットをさまざまな増幅試薬でマルチプレックスPCRを行い性能を比較しました(50μL反応系)。
その結果、KOD -Multi & Epi-®を用いた場合のみ、すべての条件でバイアスの少ない良好な結果を得ることができました。
KOD -Multi & Epi-®は、血液成分の阻害をうけにくく、精製ゲノムDNAからの増幅と同様にバイアスの少ない増幅結果を示しました。


 

2. NGSを用いた長鎖(10kb)ターゲットのマルチ増幅におけるバイアスの検証

10種類の10kbのターゲット(そのうち5種類のターゲットをGC含量70%の領域が300bp以上ある領域を含む)を6種類のPCR試薬にて増幅を行い、増幅の確認できた試薬のPCR産物を精製した後にCovaris®で断片化し、Truseq® nano LT kitを用いてライブラリーを調製し、Miseq®(illmina®)を用いてシーケンス解析を行いました。最もリード数の多いターゲットを基準(1.0)としてそれぞれのリード数の比をプロットしました。



電気泳動の結果では、レーン3,5のB社の試薬においても良好な増幅を確認できましたが、NGS解析の結果、増幅に偏りが生じていることがわかりました。一方、KOD -Multi & Epi-®は10種類のターゲットにおいてはリード数の比が0.6~1.0の中にあることから、均質に増幅したことが分かりました。

3. バイサルファイト処理DNAの増幅効率の比較

メチル化されてないシトシン(C)は、バイサルファイト処理によりウラシル(U)に変換されるため、PCR後にシーケンス解析により、メチル化されたCを区別することができます。この処理により、ターゲットの配列はATリッチとなり、また断片化されるため、一般的にバイサルファイト処理されたDNAの増幅は難しいとされています。



この検討では、バイサルファイト処理を行ったJurkat 細胞由来のメチル化DNAを鋳型として使用し、900~1500bpの増幅を種々のDNAポリメラーゼで比較しました。その結果、KOD -Multi & Epi-®は約1.5 kb までのターゲットについて良好な結果を示しました。さらに、1583bpの増幅産物に関して、クローニングキット(TArget CloneTM -Plus-)を用いてクローニングした後に、シーケンス解析を行い、バイサルファイト変換されたターゲットが増幅されていることを確認しました(データ示さず)。



また、TGFβ(917bp)について、テンプレート量の検討を行いました。その結果、5ngまで検出することが可能でした。バイサルファイト処理を行うことにより、DNAが断片化されることが知られていますが、そのようなサンプルを用いた場合においても、KOD -Multi & Epi-®を用いて約1kbのターゲットを高感度で検出することが可能でした。


 

実施例4:イノシンを含むプライマーへの対応
実施例5:セロトニン神経におけるDNAのメチル化解析
実施例6:イノシンを含むプライマーを用いた1-step RT-PCRによるノロウイルス遺伝子の増幅


製品内容

KOD -Multi & Epi-® (1U/μL)
                                    200μL×1本
2×PCR Buffer for KOD -Multi & Epi-®
                                  1.7 mL×3本
※50μLで反応を行なった場合、200回用としてご使用になれます。
※2×PCR Buffer for KOD -Multi & Epi-®にはdNTPs(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)およびMg2+(終濃度2.0mM)が含まれています。
 

活性の定義:
75℃において、20分間に10nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性画分に取り込む酵素量を1Uとします。

起源:
E.coli 組換体

注意事項

*酵素溶液には、消防法危険物 第4類引火性液体 第3石油類 水溶性液体に該当するグリセロールが 50%含まれますが、引火点測定試験で危険物に該当しないことを確認しております。

基本反応条件

(1)シングルプレックスPCR反応条件
反応液組成
滅菌蒸留水 XμL
2×PCR buffer
for KOD -Multi & Epi-® 25μL
10pmol/μL  Primer F 1.5μL
10pmol/μL  Primer R 1.5μL
鋳型~200ng(Genomic DNA)
~50ng(Plasmid)
~200ng〔RNA相当〕(cDNA)
~5μL(クルードサンプル)
KOD -Multi & Epi-®(1.0U/μL) 1μL
Total 50μL

Cycle(1)
〈2ステップサイクル〉
[プライマーのTm値が65℃を超える場合]
94℃, 2min.

98℃, 10sec. 
68℃, 15~60sec./kb 30 cycles

Cycle(2)
〈3ステップサイクル〉
[プライマーのTm値が65℃以下の場合]
94℃, 2min.

98℃, 10sec.
Tm℃, 10sec. 
68℃, 15~60sec./kb 30 cycles

(2)マルチプレックスPCR反応条件
反応液組成
滅菌蒸留水 XμL
2×PCR buffer
for KOD -Multi & Epi-® 25μL
10pmol /μL Primer F 1.5μL
10pmol/μL Primer R 1.5μL
Genomic DNA ~200ng
Plasmid DNA ~50ng
cDNA ~200ng(RNA相当)
クルードサンプル~5μL
KOD -Multi & Epi-®(1.0U/μL) 1μL
Total 50μL

Cycle(1)
〈2ステップサイクル〉
[プライマーのTm値が65℃を超える場合]
94℃, 2min.

98℃, 10sec. 
68℃, 15~60sec./kb 25 cycles

Cycle(2)
〈3ステップサイクル〉
[プライマーのTm値が65℃以下の場合]
94℃, 2min.

98℃, 10sec.
Tm℃, 30sec. 
68℃, 15~60sec./kb 25 cycles

(3)バイサルファイト処理DNAを用いるPCR反応条件
反応液組成
滅菌蒸留水 XμL
2×PCR buffer
for KOD -Multi & Epi-® 25μL
10pmol/μL Primer F 1.5μL
10pmol/μL Primer R 1.5μL
バイサルファイト処理DNA ~200ng
KOD-Multi & Epi-® (1.0U/μL) 1μL
Total  50μL

Cycle
〈3ステップサイクル〉
94℃, 2min.

98℃, 10sec.
Tm℃, 30sec. 
68℃, 15~30sec./kb 40 cycles

ワンポイントアドバイス

プライマーのTm値の計算は、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)を用いております。プライマーのTm値計算表(EXCEL)は、こちらからダウンロードいただけます。

FAQはこちら →

   トラブルシューティングは
こちら

English Page

※ 法規制について
毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
国: 国民保護法[毒素]
劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
危: 消防法[危険物]
   生物の多様性の確保に関する法律)
P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品

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