開発秘話インタビュー (SARS-CoV-2 Detection Kit -Multi-)
SARS-CoV-2 Detection Kit -Multi- は唾液、咽頭/鼻咽頭ぬぐい液などのサンプルからの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)遺伝子を検出する製品です。
SARS-CoV-2 Detection Kit -Multi- 発売の裏にはどのような背景や思いがあったのでしょうか。
Q. 2020年4月に緊急事態宣言が出され世間が混乱する中で、その翌月の5月には新型コロナウイルス検出キットが発売されました。
過去に例のない速さでの製品開発はどのようにして実現したのでしょうか。
A. 東洋紡は、ノロウイルス検出キットなど多くの高性能なPCR試薬を開発しており、ウイルスの検出について高いレベルの開発環境と
積み重ねた知見がありました。
それらの技術をベースに「社会課題の解決に貢献する」という高いモチベーションがあったからこそ、社内で一丸となって迅速な
製品開発を実現できたと考えています。
Q. 開発時に苦労した点はありますか?
A. 唾液によるPCR阻害を改善するのに苦労しました。
唾液中の阻害因子は個人やサンプルによって異なり、最大公約数的な対策をする事が難しかったです。
さまざまな個体やサンプルの特性に合わせて、最適な試薬の開発が求められました。
試行錯誤を繰り返し、苦労の末に唾液の阻害を改善するためのプロトコルや試薬の組み合わせを見出しました。
Q. 研究で行き詰った際に心がけていることを教えてください。
A. 周りの方々と積極的に話すことです。
自分にはない視点で意見を貰えることもありますし、言語化することで自分の考えが整理され発展する事も多々あります。
Q. 研究を進める上でのモチベーションは何ですか。
A. 研究を通じて、社会的な問題の解決や人々のQOLの向上に貢献する事を望んでいます。
その過程で得られる知識・考え方を育み、人としても豊かになりたいと考えています。
回答ありがとうございました!
<今回インタビューした製品はこちら>
SARS-CoV-2 Detection Kit -Multi-