コーヒーブレイク
インフルエンザウイルスを検出してみた!
■はじめに
今年最後の実験レポートは冬らしいものということで、インフルエンザウイルスをqRT-PCRで検出した実施例のご紹介です。
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどのRNAウイルスはqRT-PCRで検出可能です。qRT-PCRには1-step法と2-step法があり、以下のような違いがあります。
RNAウイルスの検出用途では操作が容易で多サンプルを処理しやすく、コンタミネーションリスクの低減できるため、1-step法が一般的に使用されています。

今回、弊社1-step法のqRT-PCR試薬、THUNDERBIRD® Next Probe One-step qRT-PCR 4×Mix [Code No.QRX-101] を使用して、インフルエンザウイルスを検出してみました。
■実験方法
インフルエンザRNA(6250, 1563, 391, 98, 24コピー)を、「伸⻑時間45秒の通常サイクル」および「伸⻑時間10秒の⾼速サイクル」で検出しました。
反応液組成
RNase free water 7.2 μL
4×Mix 5 μL
Forward Primer 1 μL (10 pmol)
Reverse Primer 1 μL (10 pmol)
TaqMan® probe 0.4 μL (4 pmol)
50×ROX Reference dye 0.4 μL
RNA溶液 5 μL
Total Volume 20 μL
インフルエンザA型 プライマー・プローブ配列
Forward. Primer CTTCTAACCGAGGTCGAAACGTA
Reverse Primer GGTGACAGGATTGGTCTTGTCTTTA
TaqMan Probe TCAGGCCCCCTCAAAGCCGAG
PCRサイクル条件
使用機器:Applied Biosystems® StepOnePlus™ リアルタイムPCRシステム
<通常サイクル>
50℃, 10min
95℃, 60sec
↓
95℃, 5sec
55℃, 45sec 50 cycles
<高速サイクル>
50℃, 10min
95℃, 30sec
↓
95℃, 5sec
55℃, 10sec 50 cycles
■結果

伸長時間10秒の高速サイクルでも、きれいな増幅曲線が得られ、しっかり検出ができました。
これらの結果は用いるプライマーやサンプルによっても異なりますので、あくまで参考としてお楽しみください。
そして、この度THUNDERBIRD® Next Probe One-step qRT-PCR 4×Mix(Code No.QRX-101)が国立感染症研究所の病原体検出マニュアル インフルエンザ (第6版)に掲載されました。
https://id-info.jihs.go.jp/relevant/manual/010/influenza20251002v2.pdf (p.25ご参照)
*上記実施例とは推奨サイクルやプライマー配列なども異なりますのでご注意ください。
マスターミックスで検査用途でも使いやすいキットとなっておりますので、
多検体での解析などでお困りの方は、ぜひお試しください!
■さいごに
今回使用した製品はこちら
高効率ワンステップqRT-PCRマスターミックス
THUNDERBIRD® Next Probe One-step qRT-PCR 4×Mix (Lyo-Ready Mix)

●マスターミックスで操作が簡便
プライマー、プローブ、検体を加えるだけで反応を開始。
コンタミネーションやピペッティングエラーのリスクを低減。
●迅速かつ高感度での検出が可能
伸長時間10秒の高速サイクルに対応しており、かつ高効率で特異的な増幅が可能
●夾雑物耐性の向上
生体由来成分など夾雑物存在下でも効率的な増幅が可能。精製工程を簡略化したい方にもオススメ。
* 記載している会社名および・ロゴマークなどは、各社の商号、商標または登録商標です。







