コーヒーブレイク
PCR試薬にいろんな色を付けてみた!
■はじめに
実験がうまくいかない…課題が終わらない…人生、山あり谷ありですよね!
研究に疲れを感じ始めたとき、PCR試薬をカラフルにして気分を上げてみませんか?
最近、色素入りのPCR試薬が各社から販売されていますね。
反応液に色がついているため、PCR後にそのまま電気泳動が可能です。ローディングバッファーを加える必要がないので、手間が減るだけでなく、ミスを減らせる点でも人気です。
そこで今回、弊社から新たに販売されるPCRマスターミックス(KOD FLEX™ PCR Master Mix)にいろいろ色素を添加し、色素による反応阻害の有無や、泳動時の見え方などを調べてみました!
■実験方法
様々な濃度の色素をPCRマスターミックスに添加し、ヒトゲノムをテンプレートにWT-1領域 約2.5kbを増幅しました。色素には水で溶解したブロモフェノールブルー(BPB)、OrangeG、Acid Red 18、タートラジンを用いました。。
【反応液組成】
KOD FLEX™ PCR Master Mix 25μL
0.25%, 0.5%, 1%, 2.5% 各色素 1μL*
合計 26μL
*各色素のPCR時の終濃度は0.005%, 0.01%, 0.02%, 0.05%となります。
滅菌蒸留水 20μL
上記Mix 26μL
Forward Primer (10μM WT-1F) 1.5μL
Reverse Primer (10μM WT-1R) 1.5μL
ヒトゲノムDNA(10ng/μL) 1μL
Total Volume 50μL
【PCRサイクル条件】
94 ℃, 2min
↓
98℃, 10sec.
60℃, 10sec.
68℃, 60sec. ×30 cycles
■結果
【PCR時の反応液写真】
【泳動時の写真】
PCR反応液の5μLを泳動しました。
移動距離は極性の強さからタートラジン>Acid Red 18>OrangeG>BPBとなる結果でした。
【泳動結果】
KOD FLEX™ PCR Master Mixは、クルードなサンプルや難配列の増幅に最適化されたPCRマスターミックスです。今回の検証では、色素を反応液に添加しても増幅に目立った阻害は見られませんでした。
BPB、Orange G、Acid Red 18、タートラジンを使用することで、青・オレンジ・赤・黄のカラフルなPCR反応液を作成することができました。
泳動時も終濃度0.01~0.02%程度入っていれば目視によるアプライが十分可能で、サンプルが浮いてしまうといった問題もなく、スムーズにアプライできました。
泳動像を見たとき、少しだけ楽しい気分になりました。
気分を上げたいときに、是非、色素入りPCR反応液を作ってみてください。
その際は、阻害に強いKOD FLEX™ がおすすめです!
これらの結果は、増幅するターゲットやテンプレートにもよりますので、参考としてお試しください。
■さいごに
今回使用した製品をご紹介します。
高効率・高成功率PCR Master Mix < Coming Soon! >
KOD FLEX™ PCR Master Mix
●クルードサンプル・難配列対応PCR酵素のマスターミックス
●NGSのライブラリー等も高効率かつ低バイアスに増幅
*「KOD FLEX」は東洋紡株式会社のPCR関連試薬の商標です。