コーヒーブレイク
DNAメチル化解析でお困りの方へ!
■はじめに
遺伝子発現調整に深く関わるメチル化の解析は、エピゲノムの分野でよく行われる解析です。しかし、DNAのメチル化解析において、バイサルファイト処理や酵素処理をした鋳型からのPCRがうまくいかなかったことはないですか?
バイサルファイト後の鋳型は断片化されていることが多く、また非メチル化シトシンから変換されたウラシルもPCRを阻害することが知られています。より効率的な増幅ができる酵素を選択することが非常に重要です。
今回、「微量の DNA から実施できるロングリード DNA メチル化解析手法」が論文化され、東洋紡のPCR試薬である KOD One® PCR Master Mix またはKOD -Multi & Epi-®を用いれば、ウラシルを多く含む酵素処理後の鋳型から他社より長いDNAフラグメントを得られることが明らかになりました! 論文データの一部を紹介させていただきます。
Sakamoto, Y. et al., Long-read whole-genome methylation patterning using enzymatic base conversion and nanopore sequencing. Nucleic Acids Research. Vol. 49, No. 14, 20 August 2021, P. e81 より引用
■実験方法
g-TUBE (Covaris)を用いて、平均鎖長~10kb程度にゲノムDNAを断片化し、上記断片化ゲノムDNA 50ngを NEBNext® Enzymatic Methyl-seq Kit (New England BioLabs) を用いてアダプター付与、非メチル化シトシンのウラシルへの変換を行った。
処理後の断片化DNA とNEBNext® Enzymatic Methyl-seq Kit付属のEMseq Index primerを用い、KOD One® PCR Master Mix またはKOD -Multi & Epi-®でPCRを実施した。
【KOD One® PCR Master Mix サイクル】
98℃, 10 sec.
57℃, 5 sec.
68℃, 15 min. ×15 cycles
【KOD -Multi & Epi® サイクル】
94℃, 2 min.
↓
98℃, 10 sec.
62℃, 30 sec.
68℃, 10 min. ×16 cycles
↓
68℃, 10 min.
※他社試薬のサイクル条件は論文中に記載
■結果
増幅産物長の分布を比較した結果、KOD One® PCR Master Mix またはKOD -Multi & Epi-® を用いれば、10kbを超えるライブラリーがしっかり増幅されていることが確認されました。長鎖のメチル化解析には弊社酵素の方が最適な結果でした。
■さいごに
今回使用した製品をご紹介します。
高速・高正確・高成功率PCR Master Mix
KOD One® PCR Master Mixシリーズ
●高い正確性・増幅効率
●改変型KOD DNA polymeraseを用いたPCR用2×マスターミックス
●優れた正確性と簡便さ
●高速PCRが可能
KOD One® PCR Master Mixシリーズの他の実施例はこちら
マルチプレックスPCR・バイサルファイト処理DNA用高正確性PCR酵素
KOD -Multi & Epi-®
●均一な増幅(低バイアス)
●ウラシルを多く含むDNAからの増幅
●高正確性
●クルードサンプルに対応
●高効率
KOD -Multi & Epi-® の他の実施例はこちら
*「KOD One」と「KOD -Multi & Epi-」は東洋紡株式会社のPCR関連試薬の登録商標です。
*記載している会社名および・ロゴマークなどは、各社の商号、商標または登録商標です。