コーヒーブレイク
冷凍庫に眠っているqPCR試薬を使ってみた!
■はじめに
これいつ買ったっけ…?と分からなくなったまま研究室の冷凍庫に眠っている試薬はありませんか?
今回は、研究室で長期保管されていたリアルタイムPCR試薬を使用して、きちんと増幅できるのか性能を確かめてみました!
■実験方法
逆転写反応用試薬 ReverTra Ace® qPCR RT Kit [Code No.FSQ-101]を用いて、HeLa細胞total RNAからcDNAを合成しました。cDNAを5倍希釈(5段階)したサンプルを、表1の通り保存期間の異なるTHUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mix [Code No.QPX-201] とTHUNDERBIRD® Probe qPCR Mix [Code No.QPS-101] を用いてβアクチン遺伝子をターゲットとしてqPCRを行い、結果を比較しました。
製品 | 保存期間 | |
A | THUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mix | 1ヶ月未満 |
B | THUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mix | 2年7ヶ月 |
C | THUNDERBIRD® Probe qPCR Mix | 1ヶ月未満 |
D | THUNDERBIRD® Probe qPCR Mix | 3年9ヶ月 |
反応液組成
・THUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mix
滅菌水 XμL
THUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mix 10μL
Forward Primer 6pmol
Reverse Primer 6pmol
DNAサンプル YμL
Total Volume 20μL
・THUNDERBIRD® Probe qPCR Mix
滅菌水 XμL
THUNDERBIRD® Probe qPCR Mix 10μL
Forward Primer 6pmol
Reverse Primer 6pmol
TaqMan® Probe 4pmol
50×ROX reference dye 0.4μL
DNAサンプル YμL
Total Volume 20μL
PCRサイクル条件
使用機器:Applied Biosystems® StepOnePlus™
・THUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mix
95℃ 30sec
↓
95℃ 5sec
60℃ 30sec×40cycle
・THUNDERBIRD® Probe qPCR Mix
95℃ 1min
↓
95℃ 15sec
60℃ 45sec×40cycle
■結果
THUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mix
THUNDERBIRD® Probe qPCR Mix
THUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mixは2年7か月、THUNDERBIRD® Probe qPCR Mixは3年9か月経ったLotについて直近生産Lotと比較しましたが、増幅曲線に大きな差は見られませんでした。冷凍庫にしっかり保存されていれば結構安定性は高いみたいですね。
これらの結果は、試薬の保管状況や検出するターゲット、解析するサンプルにもよりますので、参考としてお試しください。
■さいごに
今回使用した製品はこちら。
THUNDERBIRD® Next SYBRTM qPCR Mix
組成の最適化によりPCRの特異性が向上しています。PCR効率を上げ、非特異反応(プライマーダイマー等の発生)を抑えることで、幅広い定量可能域(ダイナミックレンジ)を得ることができます。また伸長時間10秒の高速サイクルにも対応しており、実験の効率UPに最適です。
*記載している会社名および・ロゴマークなどは、各社の商号、商標または登録商標です。
※お届けから1年以内に性能に異常が見られた場合は、リプレイス対応を実施しております。