コーヒーブレイク
リアルタイムPCRマスターミックス試薬の添加量を変えて実験してみた!
■はじめに
最近のPCR試薬はマスターミックス化されており、簡単に試薬調製ができますね。PCRには酵素やMgの濃度が重要ですが、試薬を薄めて使用したり、濃く使用したりしたら、反応はできなくなるのでしょうか?
今回は、新製品THUNDERBIRD® Next Probe One-step qRT-PCR 4×Mix [Code No.QRX-101] の使用濃度を変えて、解析結果にどのような影響があるのか調べてみました。
■実験方法
20μL 反応のリアルタイムPCRにおいて、THUNDERBIRD® Next Probe One-step qRT-PCR 4×Mix [Code No.QRX-101] の推奨添加量は5μL(反応終濃度×1)です。添加量を4.0μL(反応終濃度×0.8)、6.0μL(反応終濃度×1.2)に変更してインフルエンザRNA(6,250、1,563、391、98、24コピー)の検出を比較しました。
反応液組成
マスターミックス終濃度 ×0.8 ×1 ×1.2
RNase free water 8.2 7.2 6.2
THUNDERBIRD® Next Probe One-step qRT-PCR 4×Mix 4 5 6
Forward Primer(10μM) 1 1 1
Reverse Primer(10μM) 1 1 1
TaqMan® probe(10μM) 0.4 0.4 0.4
50×ROX reference dye 0.4 0.4 0.4
RNA溶液 5 5 5
Total Volume 20 20 20 μL
PCRサイクル条件
使用機器:Applied Biosystems® StepOnePlus™
50℃ 10min
↓
95℃ 1min
↓
95℃ 15sec
60℃ 45sec×45cycle
■結果
使用濃度を×0.8とすると若干のCtの遅れは見られるものの、濃度を変えても低コピーまで検出が可能でした。定量性も十分ある結果でした!
本キットのようなマスターミックスを使用することで、手技の誤差を抑えることができます。また、本キットを使用すればある程度、分注液量がぶれても安定した結果が得られることが示唆されました。
今回はあえて添加量(使用濃度)を変えて行いましたが、解析するサンプルにもよりますので、参考としてお試しください。
■さいごに
本キットは、多検体の解析や、複数のプローブを使用したマルチプレックスでの解析にオススメです。
4×マスターミックスのためRNA溶液の添加量を増やすことができるのも特長です。濃度の薄いRNA検体を測定したい方はぜひ使用してみてください。
また、凍結乾燥用の賦形剤を含むため凍結乾燥にも対応しております。凍結乾燥用途で試薬をお探しの方もぜひお試しください。
凍高効率ワンステップqRT-PCRマスターミックス。
THUNDERBIRD® Next Probe One-step qRT-PCR 4×Mix (Lyo-Ready Mix)
●マスターミックスで操作が簡便
プライマー、プローブ、検体を加えるだけで反応を開始。
コンタミネーションやピペッティングエラーのリスクを低減。
●迅速かつ高感度での検出が可能
伸長時間10秒の高速サイクルに対応しており、かつ高効率で特異的な増幅が可能。
●夾雑物耐性の向上
生体由来成分など夾雑物存在下でも効率的な増幅が可能。
精製工程を簡略化したい方にもオススメ。
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