コーヒーブレイク
どれくらい微量のRNAからcDNAの合成ができるか試してみた!
■はじめに
RNAを用いて遺伝子の発現量を解析する際、十分なRNA量がとれず、解析できなかったことはありませんか?
今回、QuantAccuracy®, RT-RamDA® cDNA Synthesis Kitを使用してどれくらい微量のRNAからリアルタイムで解析可能なcDNAが合成できるのか、製品性能の限界に挑戦しました。
■実験方法
HeLa total RNA(1 ng、100 pg、10 pg、1 pg、100 fg)n=3からQuantAccuracy®, RT-RamDA®; cDNA Synthesis Kit[Code No.RMQ-101]を用いてcDNAを合成し、その後、KOD SYBR® qPCR Mix [Code No.QKD-201]を用いてβアクチン(ACTB)の増幅を行い、Ct値を比較しました。
【RNA希釈液の調製】
Lysis Buffer 2μL
Lysis Enhancer 0.45μL
RNase Inhibitor 0.05μL
各RNA溶液 1μL
Nuclease free water 1.5μL
Total 5μL
【熱変性反応】
Denature 75℃ 1.5 min
4℃ hold
【RT-RamDA®反応液の調製】
RT-RamDA® Buffer 1.2μL
gDNA Remover 0.45μL
RT-RamDA® Enzyme Mix 0.5μL
RT-RamDA® Primer Mix 0.5μL
Nuclease free water 1.35μL
Total 4μL
上記混合液を熱変性後の反応液5μLに添加。
【RT-RamDA® 反応】
Priming1 25℃ 10 min
↓
Priming2 30℃ 10 min
↓
Reverse transcription and amplification 37℃ 30 min
50℃ 5 min
↓
Inactivation 98℃ 5 min
4℃ hold
【qPCR反応液の調製】
Nuclease free water 7.8μL
KOD SYBR® qPCR Mix 10μL
Forward Primer(10μM) 0.4μL
Reverse Primer(10μM) 0.4μL
50X ROX reference dye 0.4μL
上記cDNA溶液 1μL
Total 20μL
【PCRサイクル】
使用機器:Applied Biosystems® StepOnePlusTMリアルタイムPCRシステム
初期変性 98℃ 2 min
↓
変性 98℃ 10 sec
アニーリング 60℃ 10 sec
伸長 68℃ 30 sec (40 cycles)
■結果
製品推奨のサンプル量下限値(10 pg)の100分の1、100 fgのtotal RNAより合成したcDNAからβアクチン(ACTB)を検出することができました!
またRNAとCt値をプロットした検量線は直線性があり、定量性も保たれている結果でした
QuantAccuracy®, RT-RamDA® cDNA Synthesis Kitを使用すれば、かなり薄いRNAからでもリアルタイムPCRで定量可能なcDNAが合成できるようですね。
もう使えないかも…と諦めていたサンプルも、もしかするとQuantAccuracy®, RT-RamDA® cDNA Synthesis Kitでは定量できるかもしれません!
気になる方は、お試し用サンプルもご用意していますのでぜひお問い合わせください。
使い方動画も配信中です!
これらの結果は用いるRNAや解析する遺伝子によっても異なりますので、あくまで参考としてお楽しみください。
■さいごに
今回使用した製品をご紹介します!
QuantAccuracy®, RT-RamDA® cDNA Synthesis Kit
● シングルセルや微量RNAからcDNA調製可能
1~500細胞または10 ng total RNA以下の微量RNAからcDNAを調製可能です。
● 検出の難しいサンプルでも解析が可能
cDNA増幅能を活かし、分解が進んだFFPE標本RNAなどの検出の難しいサンプルを解析可能です。
* RT-RamDA® は国立研究開発法人理化学研究所の登録商標です。
* Applied Biosystems® は、Applied Biosystems Inc.の登録商標です。
* StepOnePlusTM は、Applied Biosystems Inc.の商標です。