コーヒーブレイク
PCRであえてアニーリング温度を下げたらどうなるか試してみた!
■はじめに
PCRにおいてサイクル条件の温度はとても大切なポイントですよね!
アニーリング温度は、高いと特異性が高くなるが収量が低下し、低いと収量は増加するが特異性が低下すると言われます。
今回はKOD One® PCR Master Mix -Blue- [Code No. KMM-201] を用いて、あえてアニーリング温度を下げたらどのくらい影響が出るのか試してみました!
■実験方法
ヒトゲノムDNAの DDB2領域の 10kbをターゲットとし、アニーリング温度を65℃から45℃まで1.8℃ずつ下げ、KOD One® PCR Master Mix -Blue- を用いてPCRを行いました。
(KOD One® PCR Master Mix)
滅菌蒸留水 10.5μL
KOD One® PCR Master Mix 12.5μL
Forward Primer (10μM DDB2_10000_F) 0.75μL
Reverse Primer (10μM DDB2_10000_R) 0.75μL
ヒトゲノムDNA(10ng/μL) 0.5μL
Total Volume 25μL
Primer名 | Primer配列 | Primer Size(mer) | Tm(℃) |
DDB2_10000_F primer | GCAGCAATAGTGGAAGACTGGTTAC | 25 | 65.7 |
DDB2_10000_R primer | GCTAGAGCCACCATTAGACTCAGAC | 25 | 65.2 |
PCR 変性 98℃ 10秒 → アニーリング 45~65℃(1.8℃刻み) 5秒 → 伸長 68℃ 50秒 (30 cycles)
■結果
推奨のアニーリング温度はプライマーTm-5℃の約60℃ですが、意外なことにアニーリング温度を下げても特異性を保ったまま増幅ができました!
KOD One® PCR Master Mixシリーズは特異性が高いため、今回のプライマーではアニーリング温度を54~65℃に設定すれば問題ないようです。
これらの結果はターゲットやプライマー配列によっても異なりますので、あくまで参考としてお楽しみください。
■さいごに
今回使用した製品はこちら
KOD One® PCR Master Mixシリーズ
高い正確性・増幅効率をもつ改変型KOD DNA polymeraseを用いたPCR用2×マスターミックスです。
優れた正確性と簡便さを持ち、高速PCRが可能です。
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