コーヒーブレイク
qPCR試薬、プライマーとテンプレートを入れてどのくらい放置しても大丈夫?
■はじめに
リアルタイムPCRの際、「調製に時間がかかっているけど大丈夫かな…」とか「試薬調製しちゃったけど、ちょっと実験止めたい!」と思ったことはありませんか?
今回は、実際のところ反応液を放置したらどうなるのか、研究員に試してもらいました。
■実験方法
当社の2種類の製品(THUNDERBIRD® SYBR® qPCR MixとTHUNDERBIRD® Next SYBR® qPCR Mix)を使用して、PCR反応液にプライマーとテンプレート(HeLa細胞total RNA由来のcDNA)を混合した直後、または遮光室温で48時間インキュベートした後にターゲットの増幅を行いました。
(THUNDERBIRD® SYBR® qPCR Mix)
滅菌水 6.6μL
THUNDERBIRD® SYBR® qPCR Mix 10μL
Forward Primer 0.5μL(6pmol)
Reverse Primer 0.5μL(6pmol)
50× ROX reference dye 0.4μL
HeLa細胞total RNA由来cDNA(RNA 16pg相当) 2μL
Total Volume 20μL
(THUNDERBIRD® Next SYBR® qPCR Mix)
滅菌水 7μL
THUNDERBIRD® Next SYBR® qPCR Mix 10μL
Forward Primer 0.5μL(6pmol)
Reverse Primer 0.5μL(6pmol)
HeLa細胞total RNA由来cDNA(RNA 16pg相当) 2μL
Total Volume 20μL
使用機器:Applied Biosystems® StepOnePlusTM
(THUNDERBIRD® SYBR® qPCR Mix)
初期変性 95℃ 60 秒
↓
PCR 変性 95℃ 15 秒 → 伸長 60℃ 30 秒 (40 cycles)
↓
融解曲線分析 (Melting / Dissociation Curve Analysis)
(THUNDERBIRD® Next SYBR® qPCR Mix)
初期変性 95℃ 30 秒
↓
PCR 変性 95℃ 5 秒 → 伸長 60℃ 30 秒 (40 cycles)
↓
融解曲線分析 (Melting / Dissociation Curve Analysis)
■結果
THUNDERBIRD® SYBR® qPCR Mix(弊社従来品リアルタイムPCR試薬)では室温48時間経過後、ΔCt0.5~1.7の遅れが確認されましたが、THUNDERBIRD® Next SYBR® qPCR Mixは 室温48時間 経過後でもCt値の遅れがありませんでした!
■さいごに
というわけで、サンプル数が多い時も、うっかり機械が空いていなかった時も安心のTHUNDERBIRD® Next SYBR® qPCR Mix!ですね。
Primer やサンプルによっても反応液の安定性は異なりますので、目安としてご参照ください。
今回使用した製品はこちら
THUNDERBIRD® Next SYBR® qPCR Mix
組成の最適化によりPCRの特異性が向上しています。PCR効率を上げ、非特異反応(プライマーダイマー等の発生)を抑えることで、幅広い定量可能域(ダイナミックレンジ)を得ることができます。
*SYBR® は、Molecular Probes Inc.の登録商標です。
*Applied Biosystems®は、Applied Biosystems LLCの登録商標です。
*StepOnePlusTMは、Applied Biosystems LLCの商標です。