コーヒーブレイク
いろんな相補的プライマーを設計してプライマーダイマーが発生するか試してみた!
■はじめに
リアルタイムPCRを実施する上で大切なプライマー設計。
実際にどのくらい相補性があるとプライマーダイマーが発生してしまうのか?
さまざまな相補的プライマーを設計して試してみました。
■実験方法
以下1F~2Fフォワードプライマーと1R~5Rのリバースプライマーを設計し、予めホットスタート用抗体のAnti-Taq high [Code No.TCP-101] と1:1で混合したrTaq DNA Polymerase [Code No.TAP-201] を用いてPCRを行いました。
- 2Fのフォワードプライマーと相補的な配列がない3Rのリバースプライマー
- 1Fのフォワードプライマーの3’末端1塩基に相補的な配列をもつ3Rのリバースプライマー
- 1Fのフォワードプライマーの3’末端2塩基に相補的な配列をもつ2Rのリバースプライマー
- 1Fのフォワードプライマーの3’末端4塩基に相補的な配列をもつ1Rのリバースプライマー
- 1Fのフォワードプライマーと内部に相補的な配列をもつ4Rのリバースプライマー
- 1Fのフォワードプライマーの3‘領域に部分的に相補的で3’末端のGC含量が高い5Rのリバースプライマー
滅菌蒸留水 27μL
10×Taq Buffer 5μL
2mM dNTPs 5μL
25mM MgCl2 6μL
Forward Primer(10pmple/μL) 2μL
Reverse Primer(10pmple/μL) 2μL
Taq+Anti-Taq high (=1:1) 1μL
TFR遺伝子をクローニングしたプラスミドを
制限酵素で切断したDNA 2μL
Total Volume 50μL
94℃, 30sec.
↓
94℃, 5sec.
55℃, 10sec.
72℃, 15sec.
(40cycles)
■結果
プライマーダイマーの発生レベルランキング
1位 1F-1R(末端4塩基の重なり)
2位 1F-5R(部分的に相補的+末端GC含量高)
3位 1F-2R(末端2塩基の重なり)
特に3’末端側に重なりが多いとプライマーダイマーの発生しやすい傾向が認められました。
一方で、内部で相補的になってしまう4Rのようなプライマーは、今回は問題ありませんでした。
(配列によってはダイマーが発生する場合もありますので注意が必要です。)
■さいごに
プライマー設計に加え、特異性の高い試薬を使用することで、プライマーダイマーをさらに低減できる場合があります!
THUNDERBIRD® Next SYBR® qPCR Mix
組成の最適化によりPCRの特異性が向上しています。PCR効率を上げ、非特異反応(プライマーダイマー等の発生)を抑えることで、幅広い定量可能域(ダイナミックレンジ)を得ることができます。
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*SYBR® は、Molecular Probes Inc.の登録商標です。