実施例
KOD FX 実施例29 病原酵母Cryptococcus neoformans菌体(コロニー)からのダイレクトPCR
【サンプル】
病原酵母Cryptococcus neoformans菌体(コロニー)
【前処理】
なし(コロニーを直接使用)
【ターゲット】
任意の酵素遺伝子 1.8 kb
【プライマー】
20塩基(配列非公開)
【反応液組成】
- KOD FX : バッファー 25 μL、2.5 mM dNTP 4μL、プライマー各10 pmol、KOD FX1μL、蒸留水を加え50 μLにメスアップした。
その後ツマヨウジでコロニーを採取し、反応液に少量懸濁。 - A社高効率PCR酵素 : バッファー 5μL、2.5 mM dNTP 4μL、プライマー各10 pmol、酵素 0.2μL、蒸留水を加え50 μLにメスアップ。
鋳型DNAはC. neoformans コロニーまたは抽出DNAを使用。コロニーを用いる際はツマヨウジで採取し、反応液に少量懸濁した。
抽出DNAを用いる場合には、1 μL加えた。
【PCR サイクル】
94℃ 5 min.
↓
(94℃ 30 sec., 60℃ 30 sec., 72℃ 1.5 min.) 30 cycles
↓
72℃ 5 min.
↓
4℃ ∞
【結果】
KOD FXを用いてC. neoformans コロニーからのダイレクトPCRを試みたところ、全てのサンプルからの増幅が確認できたが、A社高効率PCR酵素を用いた場合ではほとんど増幅が認められなかった。なお、抽出・純化したゲノムDNAを鋳型としてPCRを行ったところ、いずれの酵素を用いた場合でもターゲットの増幅が確認できた。
【データご提供】
千葉大学真菌医学研究センター 李皓曼 先生、清水公徳 先生
【先生からのコメント】
これまでCryptococcus neoformansからのPCR増幅は菌体のビーズ破砕など煩雑な前処理もしくは高価なDNA抽出キットを使用したDNAの純化が必須であったが、KOD FXを用いた場合、菌体からのダイレクトPCRが可能となりました。以降、複数の人間がそれぞれ異なる遺伝子をターゲットとしてPCR実験を行いましたが、概ね良好な結果を得ています。
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