実施例
KOD FX 実施例1 アルカリ溶解法で調製したマウステールライセートからの増幅
アルカリ溶解法(右の基本反応条件御参照)で調製したマウステールライセート0.5μLを直接PCR反応液に添加して、Mouse membrane glycoprotein(Thy-1)gene(M10246)をターゲットとして、2ステップサイクルを用いて、30サイクルの増幅を行いました。
その結果、KOD FXを用いた場合のみ、明瞭な増幅が認められました。アルカリ溶解法は、Proteinase Kを用いる方法よりも手間が少ないため、より簡便にトランスジェニックマウスの遺伝子解析ができるものと思われます。
また、増幅産物を精製なしで、数種類の制限酵素で消化する検討もあわせて行い、下記制限酵素により完全に切断を受けることを確認しました。
【マウステール前処理方法】
<ご注意>
1. 熱アルカリ溶液の取扱には十分ご注意ください。
2. Proteinase Kを用いて調製されたライセートの場合は、直接PCRに用いることはお勧めできません。
Proteinase KとSDSがPCR反応に悪影響を及ぼす恐れがあります。
Proteinase K をご使用の場合、精製が必要となりますのでご注意ください。
【PCR条件】
テンプレート: 上記方法にて調製したLysateを水にて10倍希釈したサンプル : 0.5 μL / 50 μL Reaction
ターゲット: Mouse membrane glycoprotein (Thy-1) gene 2.6kb <M10246>
プライマーシーケンス:
Primer#1 :5’-CCACAGAATCCAAGTCGGAACTCTTG-3’
Primer#2 :5’-GTAGCAGTGGTGGTATTATACATGGTG-3’
<反応条件>
終濃度
2x PCR buffer 25 μL 1×
2mM dNTPs 10 μL 0.4mM each
10pmol /μL Primer #1 1.5 μL 0.3μM
10pmol /μL Primer #2 1.5 μL 0.3μM
Mouse Tail Lysate 0.5 μL
KOD FX (1.0U/μL) 1 μL 1.0 U / 50μL
PCR grade water 10.5 μL
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Total reaction volume 50 μL
<PCR サイクル条件>
94℃ 2min.
(98℃ 10sec., 68℃ 2.5min.) × 30cycles
他社製品のPCR条件は各社で推奨されているサイクルで増幅いたしました。