実施例
KOD One 実施例20 次世代シーケンサー(NGS)のライブラリー増幅
NGSライブラリーの増幅においては、配列による増幅バイアスがないことが重要となります。KOD One® PCR Master Mixは、さまざまな配列を偏りなく増幅することが可能で、NGS分野にも応用できます。
ここではKOD One® PCR Master Mix を用いて、GC率70%の Thermus thermophilus 由来のライブラリーを増幅し、シーケンス後のデータを比較しました。増幅に用いたライブラリーは、断片化した Thermus thermophilus ゲノムにイルミナ社のP5、P7配列を持つアダプターを付加したものを使用し、シーケンスにはイルミナ社 MiSeq®を使用しました。
【プライマー配列】(TruSeq®用プライマー)
Forward Primer: AATGATACGGCGACCACCGAGATC
Reverse Primer: CAAGCAGAAGACGGCATACGAG
【反応条件】
(1) 反応液組成 | (μL) | (2) サイクル条件 | |
滅菌蒸留水 | 14 | ① 98℃, 10sec. | |
KOD One® PCR Master Mix | 25 | ② 60℃, 5sec. | |
10pmol/μL Primer F | 5 | ③ 68℃, 1sec. | |
10pmol/μL Primer R | 5 | (①~③)×14cycle | |
1ng/μL NGS library | 1 | ||
Total Volume | 50 |
【結果】
ライブラリーのGC率に対して、ノーマライズされたカバレッジ(GCバイアス比較図:青色〇)が1に近いほど低バイアスであることが示されます。KOD One® PCR Master Mixで増幅したライブラリーはGC率が高くてもノーマライズされたカバレッジが1に近く、バイアスが少ない結果となりました。また、同じリード数でカバレッジを比較した結果も、KOD One® PCR Master Mix の方が良好な結果となり、少ないリードでも高いカバー率を示しました。KOD One® PCR Master Mix は長鎖ターゲットの増幅にも強みがあり、Shortリードのライブラリーだけでなく、Longリードのライブラリー増幅にも応用が期待できます。
サンプル種、鋳型のサイズ分布によって、最適なサイクル数は1~3サイクル前後する場合がありますが、ライブラリーのインプット量とサイクル数に関しては、以下をご参照ください。
インプット量 | サイクル数 |
1 μg | 0 - 1 |
500 ng | 1 - 2 |
100 ng | 4 - 5 |
50 ng | 5 - 6 |
10 ng | 8 - 10 |
1 ng | 13 - 15 |
0.25 ng | 16 - 18 |