実施例
MultiReporter Assay System –Tripluc– 実施例4 パーキンエルマー社ARVOTMMXを用いた解析例
「MultiReporter Assay System -Tripluc®- Detection Reagents*」とパーキンエルマー社ARVOTMMXを用 いたプレートリー ダーによる解析例をご紹介いたします。
* 現在は、1液タイプの Tripluc® Luciferase Assay Reagent [Code No. MRA-301] に変更しております。
【方法】
プレートリーダーを用いたin vitro計測のフローを図1に示します。ルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドを導入し、種々のアッセイが行われた細胞のプレートから培地を除去後、溶解剤Lysis Solutionを加え、細胞を溶解します。続いて、基質溶液Assay Reagentを加え、プレートリーダーで測定します。
今回、プレートリーダーとして、インジェクター付のパーキンエルマー社ARVOTMMX(図2)を用い、Assay Reagentの分注は同機に装備されたインジェクターを使用しました。また、3枚の光学フィルターとして、ARVOTMMXには、①510±30 nmフィルター、②595±30 nmフィルター、③660±50 nmフィルターを装着しました。
測定は、あらかじめ各ルシフェラーゼの発光について、全光(フィルター無挿入)に対する各フィルター透過光の割合を決定しました(Tij:i=1,2,3(フィルター①、②、③)、j=g,o,r(ルシフェラーゼSLG、SLO、SLR))。つづいて、各サンプルプレートについて、3枚のフィルター(F1、F2、F3)を用いて測定を行い、測定値から Excelを用いて下式を計算し、各ルシフェラーゼの発光量(G、O、R)を算出しました。
*上記測定原理は、アトー株式会社の特許です。(特許番号:特許第4052389号(P4052389))
1. 定量性の検討
白色不透明タイプの96ウェルプレートのcolumn A~Hのそれぞれに、各ルシフェラーゼを発現した細胞ライセートを表1の要領で混合し、試料を調製しました。続いて、インジェクターを用いて、各ウェルに「Detection Reagents」Assay Reagentを125μLずつ加え、3枚のフィルターの透過光を測定し、各ルシフェラーゼの活性を算出しました。
2. 解析例(AP1及びNFκBレスポンスエレメントの活性化の検討)
評価用コンストラクトとして、pSLO-test、pSLR-testの各ルシフェラーゼの上流にSV40プロモーターのコア領域を挿入し、そのさらに上流にAP1レスポンスエレメント(pSLOtestのみ)、及びNFκBレスポンスエレメント(pSLR-testの み)を挿入したプラスミド(pSLO-AP1、pSLR-NFκB)を調製しました。
アッセイは、白色不透明タイプの96ウェルプレートにHeLa S3細胞を4×104cells/wellずつ播種し、翌日、1ウェルあたりpSLG-HSVtk SLG 0.03μg、pSLO-AP1 0.13 μg、pSLR-NFκB 0.04μgを混合し、トランスフェクション試薬LipofectamineTM2000(インビトロジェン社)を用いて無血清培地下でトランスフェクションを実施しました。24 時間後に、0~10ng/mL TNFα、0~100nM PMAを含む培 地に置換し、4時間インキュベートしました(図4)。
インキュベート終了後、培地を除去し、「Detection Reagents」Lysis Solutionを25μL/well加え、軽く振とう しながら20分間室温でインキュベートしました。続いて、イ ンジェクターを用いて、各ウェルに「Detection Reagents」 Assay Reagentを125μLずつ加え、3枚のフィルターの透過光を測定し、各ルシフェラーゼの活性を算出しました。
【結果】
1. 定量性の検討(図3)
3枚のフィルターの測定値より算出されたSLG、SLO、SLRの相対光量を図3にプロットしています。各ウェルに一定量を添加しているSLGについてはほぼ一定の値を、20%ずつ 添加量を変えたSLOやSLRについてはその増減に応じた値が 得られ、測定・算出の方法が適正であることが分かりました。 また、それらの値がプレート全体96サンプルにわたって安定していることから、96ウェルプレートを用いるハイスループットアッセイが可能であることが示唆されました。
2. 解析例(図4、5)
SLO、SLRルシフェラーゼ遺伝子にAP1レスポンスエレメント、NFκBレスポンスエレメントを連結し、TNFα、PMAに対する応答性を検証しました。
測定値よりSLG、SLO、SLRの相対光量を算出しました。
次に、内部標準としてトランスフェクションしたHSVtkプロモーター下のSLGに対する相対活性としてSLO及びSLR値を図5にプロットしました。この結果、それぞれTNFαやPMA
に対し、濃度依存的なルシフェラーゼの発現活性を確認することができました。
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