実施例

KOD One 実施例8 哺乳動物細胞用発現ベクターにクローニングされた遺伝子配列への3塩基変異導入

データご提供 : 広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 産科婦人科教室 助教 杉本 潤 様

<実験の目的>
 哺乳動物細胞用発現ベクターにクローニングされた遺伝子Aに対しアミノ酸置換を誘発する3塩基の変異導入を行う。

<実験方法>

【サンプル】
  プラスミド:哺乳動物細胞用発現ベクター(約7.1kb)に遺伝子A(約1.8kb)をクローニングしたプラスミド

【サンプルの調製方法】
  Qiagen midi kit で抽出、精製したプラスミドDNA

【遺伝子名とターゲット長】
  遺伝子A : 1.8kb,  ベクター : 7.1kb

【プライマー】
  変異導入用プライマーForward (31 base)
  変異導入用プライマーReverse (31 base)
 

【反応液組成】                                                【PCRサイクル】

     (μL)        
  滅菌蒸留水 10.5   98℃  10sec.  
  KOD One® PCR Master Mix 12.5   55℃  15sec.  30cycles
  10μM Primer F  0.5   72℃  40sec.  
  10μM Primer R  0.5        
  50pg/μL  プラスミドDNA  1        
       
  Total Volume 25        


【測定機器】
  GeneAmp PCR system 9700

<結果・考察>

<感想・ご意見等>
当研究室で使用している哺乳動物細胞用発現ベクターは、その大きさと特徴的な配列により、クローニングされた遺伝子配列への直接的な変異導入が困難であった。このことから、違うベクター(pGEM-Tなど)にクローニングした遺伝子配列へ変異を導入後、この変異を含むDNA断片を切り出し、哺乳動物細胞用発現ベクターに再クローニングする必要があった。しかし、KOD One を用いることにより直接変異を導入することが可能となり、時間、労力の短縮につながった。また、変異の導入効率は調べた数クローン中100%であり、近傍の配列にPCRエラーは確認されなかった。

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