RT-RamDA^® cDNA Synthesis Kit

RT-RamDA^® cDNA Synthesis Kit はシングルセルや微量の RNA から cDNA を調製することが可能です。本キットで調製した cDNA はリアルタイム PCR の鋳型として使用することができ、高感度に遺伝子発現解析を行うことができます。
本キットでは Reverse Transcription with Random DisplacementAmplification(RT-RamDA^®) 法 を採用しています。RT-RamDA^®法は逆転写酵素の鎖置換活性を利用した新規 cDNA 増幅方法であり、poly(A) RNA だけでなく、non-poly(A)由来の cDNA の高感度な検出が可能です。このため RT-RamDA^®法では従来技術に比べ検出遺伝子が多いことが特長です。

※RT-RamDA^® は国立研究開発法人理化学研究所の登録商標です。

●シングルセルや微量RNAに対応
1~100細胞または10pg~1ng total RNA からcDNAの合成が可能です。

●RNA全長をカバーするcDNAの合成が可能
Oligo-dT primer のみを用いる従来法では困難であった10kb以上のターゲットRNAの全長をカバーできる cDNA を調製可能です。

●さまざまなリアルタイム PCR 試薬に使用可能
各種リアルタイム PCR 試薬と組み合わせて使用可能です。SYBR^TM Green I,TaqMan^® アッセイ両方に対応しています。

1. cDNA増幅率の検証

従来の逆転写反応試薬およびRT-RamDA^® cDNA Synthesis Kit を用いて NIH3T3 total RNA 10pg からcDNAを合成し、THUNDERBIRD^® SYBR™ qPCR Mix[Code No. QPS-201]にてリアルタイムPCRを行って各遺伝子を測定しました。
その結果、従来の逆転写反応試薬で得られたcDNA量に対して、RT-RamDA^® cDNA Synthesis Kit では9 倍以上のcDNA を得ることができました。
 

2. インプットRNA量の検証

10pg と1ngのNIH3T3 total RNA を用いてRT-RamDA^® cDNA Synthesis Kit にてcDNA を
合成し、リアルタイムPCR により8 遺伝子(N=3
で実施)のCt 値を比較しました。その結果、10pg
インプットと1ng インプットで高い相関が認められ、微量のインプット量からもcDNA 合成が可能でした。
 

実施例3: 微量RNAからのcDNA合成

Hayashi, T. et al., Single-cell full-length total RNA sequencing uncovers dynamics of recursive splicing and enhancer RNAs. Nature Communications. 9:619(2018)
https://doi.org/10.1038/s41467-018-02866-0