課題解決事例
L大学 分子生物学研究所
リアルタイムPCRによるRNA定量結果の精度が低く、研究所内で問題に!
試薬を添加するだけで除去が可能?コストも想定より30%削減できた逆転写試薬の全容
背景
L大学 分子生物学研究所内のある研究室では、RNAの発現解析を行うため、RNAを逆転写し合成したcDNAを用い、リアルタイムPCRによる解析を行っていたが、最近RNAの定量結果がばらつき、精度が低いことが、問題視されていた
課題
混入した微量のゲノムDNAが妨げに…きれいに除去したいが思わぬ問題が浮上して
問題の原因を調査したところ、RNAの精製過程でゲノムDNAを完全に除去できていなかったことが判明しました。
調査にあたった、研究員のK氏はこのときの状況を次のように話します。
「RNAを精製していたにも関わらず、精製したRNAには微量のゲノムDNAが混入していました。結果として、この残存したゲノムDNAも増幅して合算されてしまい、正確な定量を妨げていたのです」
精製したRNAに対して、DNase処理などを手作業で行い、ゲノムDNAを除去することも可能でした。ところが、この操作はとても煩雑なうえに時間もかかるため、他の実験に影響がでてしまう可能性があったのです。
検討した結果、現在使用しているものとは別のRNA精製キット を使用する対策案が浮上します。しかし、大量のRNA精製を実施するとなると、コストが上昇するだけでなく、キット操作の習得といった手間も懸念されました。
分子生物学研究所の中でも、RNA発現解析の精度改善はプライオリティが高いことから、K氏たちには早急な対策の実行が求められていました。
課題のポイント
精製したRNAに微量のゲノムDNAが混入。増幅し、合算され正確な定量を妨げていた
DNase処理など、手作業でのゲノムDNA除去も可能だが、操作が煩雑なうえに時間もかかり、他の実験に影響がでてしまう可能性があった
現在使用しているものとは別のRNA精製キットを使用する案が浮上するも、大量のRNA精製を行うとコストが上昇してしまう