課題解決事例
A株式会社 バイオテクノロジー研究所
RNA発現解析をしたいサンプル数の増加でPCR装置と研究員の稼働が限界に…
高額なPCR装置を追加購入せずに、実験の時間短縮を実現した方法とは?
背景
A株式会社バイオテクノロジー研究所では、リアルタイムPCRによるRNAの発現解析を実施していたが、解析したいサンプル数の増加により連日残業による実験が続いていることが所内で問題視されていた。実験を効率化して時間の短縮を図りたかったが、研究所内のリアルタイムPCR装置の台数に限りがあるため、解決の目処がなかなか立たなかった。
課題
実験の効率化を図りたいが、高額な装置は追加購入できない…
研究室で所持しているPCR装置はRNA発現解析の際の増幅時間が長く、データ解析まで行うとかなりの時間が取られてしまっていました。そのため実験が勤務時間外まで及ぶことが多く、研究員の注意力が散漫となり、解析の精度が低下したり、思わぬ事故につながったりするリスクがあったのです。
研究員のA氏は、当時の状況を次のように振り返ります。
「実験の精度低下や事故の発生を防がなければと考えていたのはもちろんのこと、研究に追われている研究員たちが疲れによって体調不良にならないかなど、健康維持や安全管理の観点からも懸念が大きくなっていました」
研究室で所有しているリアルタイムPCR装置は3台しかなく、他の研究者と使用希望時間が重なってしまうことも多々ありました。そのため実験室と研究機器は、すべて事前予約しないと使えないようになっていました。
こうした状況を受け、研究員たちからは増え続ける実験を効率化するため、リアルタイムPCR装置を追加購入したいという声が上がっていました。しかし高性能な装置を購入するには、高額な予算が必要です。そもそも研究費として使える予算は限られているため、他の機器購入が必要でリアルタイムPCR装置購入の予算が確保できませんでした。
研究室内では対処のしようがなく、研究員たちはやむを得ず、連日残業による実験を続けるしかありませんでした。
課題のポイント
・連日実験が勤務時間外にまで及ぶことで、研究員たちの健康維持や安全管理が懸念されていた
・PCR装置の台数には限りがあり、増え続ける実験の効率化が求められていた
・高性能な装置を追加購入する予算を確保することが難しかった