課題解決事例
受託解析サービス会社 N社
解析報告の遅さに得意先から指摘が!改善の糸口は酵素にあるところまでは突き止めたが…
東洋紡が独自に開発した酵素「TTx DNA Polymerase」の4つの特長とは!
背景
連日、多くの検体が持ち込まれ、分析、解析にあたっているN社。検体は以前から比べて多岐に渡るようになり、検出や付随する作業に時間がかかっていた。得意先からは、このところの解析報告の遅さを指摘されることが増え、早急な改善が必要だった。
課題
増え続ける分析、解析依頼を早く完了して生産性を上げたいのだが、肝心の酵素が…
手始めに改善に向け、RNA発現解析グループでは1検体あたりの解析時間を計測し、時間短縮が図れそうな工程を見つけ出し、改善策を探ることにしました。
RNA発現解析グループの担当研究員F氏はこのときの状況を次のように語ります。
「1番の要因は、RNAの検出に時間がかかっていることでした。検体が微量な場合には増幅に時間がかかっていましたし、増幅が弱い場合には一からやり直したりする必要があるので、相当な時間を取られていました。もっと検出の感度を上げないと…」
F氏たちのように多くのケースで使用している逆転写反応用の酵素は37℃~42℃程度です。そのため、GCリッチなターゲットや高次構造をとりやすいターゲットの場合、増幅がとても困難でした。
その他にも、cDNA合成を行った後、リアルタイムPCRの反応液に入れ直す必要があり、ここでも時間と手間がかかっていました。
F氏たちは、これらの状況を総合的に分析してみて、改善の糸口は酵素にあると考えました。
ところが、今までの経験や知見のある酵素をいろいろ試してみたのですが、結果はどれも同様で、大きな改善は見込めず、F氏は困り果ててしまいました。
課題のポイント
・時間がかかっていた1番の要因は、反応が長くかかったり、やり直したりというRNAの検出時間だった
・その他、cDNA合成を行った後、リアルタイムPCRの反応液に入れ直すことでも時間を取られていた