課題解決事例
U大学 分子生物学研究室
マルチプレックスPCRの準備がこんなに大変だったとは…
独自開発された「欲張ったPCR酵素」を使用した驚くべき試薬、その実力とは?
背景
毎日遅くまで網羅的解析の対応に追われているU大学 分子生物学研究室。マルチプレックスPCRを活用するなど、今までにも解析効率の向上を試みたが、成果はどれもいま一つ。解析結果の質の問題も浮上し、根本的な改善策の検討と、早期の実行が必要だった
課題
効率的に見えたマルチプレックスPCR。しかしその裏では、大変で煩雑な作業が…
今回の問題は、解析依頼の多いターゲットごとの増幅に手間と時間がかかってしまい、解析効率が下がっていたことが主な原因でした。この報告を研究員から聞いた、分子生物学研究室担当のS教授は、現状をこのように語ります。
「確かに、いろいろな領域のDNAを見るためには、ターゲット分のPCRチューブや試薬を用意しなければなりません。該当するターゲットごとに試薬を使い分けなければならず、その準備作業がとても煩雑で、手違いによる再解析なども頻発していましたね」
また、マルチプレックスPCRを採用しても、検体によっては他のターゲット、領域にPCR試薬の性能を左右されてしまっていたことも分かりました。増幅できない、バンドが不均一など、安定した結果が得られないまま、プライマーを再設計し直すなど多くの時間が費やされていたのです。こうした現状が続くことにより、解析結果の質の低下が懸念されました。
さらに、マルチプレックスPCR以外にも、まれにエピジェネティクス解析の依頼が舞い込み、まったく違う試薬の準備に、余計に時間がかかっていたことも分かったのです。
具体的な解決策が見いだせず、この現状に困り果てたS教授は、日々多くの網羅的解析をこなしている、公共の分析センターに勤務する知人に相談に乗ってもらうことにしました。
すぐに連絡をして、その足でS教授は知人のいる分析センターに向かいました。
課題のポイント
・いろいろな領域のDNAを見るためには、ターゲット分のPCRチューブや試薬の用意、試薬の使い分けなど、準備作業がとても煩雑で、手違いによる再解析なども頻発
・マルチプレックスPCRを行っても、検体によっては他のターゲット、領域にPCR試薬の性能を左右されてしまっていた
・まれにエピジェネティクス解析の依頼が舞い込み、全く違う試薬の準備に、余計に時間がかかっていた