コーヒーブレイク
インフルエンザウイルスを検出してみた!
■はじめに
今年最後の実験レポートは冬らしいものということで、インフルエンザウイルスをqRT-PCRで検出した実施例のご紹介です。
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどのRNAウイルスはqRT-PCRで検出可能です。qRT-PCRには1-step法と2-step法があり、以下のような違いがあります。
RNAウイルスの検出用途では操作が容易で多サンプルを処理しやすく、コンタミネーションリスクが低減できるため、1-step法が一般的に使用されています。
今回、弊社1-step法のqRT-PCR試薬、THUNDERBIRD® Probe One-step qRT-PCR Kit[Code No.QRZ-101]を使用して、伸長時間10秒の高速サイクルで、インフルエンザウイルスを検出してみました。
■実験方法
インフルエンザRNA(5000, 500, 50, 5コピー)を、以下の伸長時間10秒の高速サイクルで検出しました。
反応液組成
RNase free water 1.2 μL
2×Reaction Buffer 10 μL
DNA Polymerase 0.5 μL
RT Enzyme Mix 0.5 μL
Forward Primer 1 μL(10 pmol)
Reverse Primer 1 μL(10 pmol)
TaqMan® probe 0.4 μL (4 pmol)
50×ROX Reference dye 0.4 μL
RNA溶液 5 μL
Total Volume 20 μL
PCRサイクル条件
使用機器:Applied Biosystems® StepOnePlus™ リアルタイムPCRシステム
50℃, 10min
↓
95℃, 30sec
↓
95℃, 5sec
55℃, 10sec 50 cycles
■結果
THUNDERBIRD® Probe One-step qRT-PCR Kitの推奨伸長時間は45秒なのですが、伸長時間10秒の高速サイクルでも5コピーといった低コピーまでしっかり検出できました。
これらの結果は用いるプライマーやサンプルによっても異なりますので、あくまで参考としてお楽しみください。
*研究用であり診断には用いられません。
それでは、皆さまお体に気をつけて、良い年末年始をお過ごしください。
■さいごに
今回使用した製品はこちら
高効率1-step qRT-PCR Kit
THUNDERBIRD® Probe One-step qRT-PCR Kit
●迅速・高感度
微量なRNAを1-stepで迅速・高感度に検出します。
●配列バイアスの低減
ターゲット配列に左右されることなく、さまざまなRNAを高感度に検出可能です。
* Applied Biosystems® は、Applied Biosystems Inc.の登録商標です。
* StepOnePlus™ は、Applied Biosystems Inc.の商標です。
* TaqMan® は、Roche Diagnostics K.K.の登録商標です。