大腸菌由来DNA合成酵素
Klenow Fragment (DNA Polymerase I,Large Fragment)
TOYOBO
価格表
用途
●2本鎖DNA末端の平滑化
●プライマー法による変異導入
●ランダムプライマー法などによる標識DNAプローブの作製
●ダイデオキシ法シーケンス
説明
本酵素は、Polymerase活性と弱い3‘→5’Exonuclease活性を有しており、この性質を利用して様々な用途に用いられます。5‘→3’Exonuclease活性を完全に欠損し、ddNTPの阻害を受けにくいことからダイデオキシ法によるシーケンス反応などにも適しています。
原理
参考文献
1)C. C. Richardson et al., J. Biol. Chem., 239: 222(1964)
2)H. Klenow et al., J. Biochem.,22: 371(1971)
3)H. Klenow et. al., J. Biochem.,45: 623(1974)
4)F. Sanger et al., Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 74: 5463(1977)
5)J.Sambrook et al., Molecular Cloning(A Laborartory Manual),108, Cold Spring Harbor Laboratory
- 製品内容
Klenow Fragment (1-10U/μL)
形状:
50mM KPO4(pH7.0)
0.25mM DTT
50% Glycerol
活性の定義:
poly(dA)(: dT)合成コポリマーを鋳型/プライマーとして、37℃、PH7.4において30分に10nmoles の全オリゴヌクレオチドを酸不溶性画分に取り込む酵素量を1Uとします。
起源:
E.coli 組換体
純度:
本酵素10Uと1μgのsupercoiled φx174 DNAを、37℃で4時間反応させてもDNAの電気泳動パターンは変化しません。
- 注意事項
本酵素は、希釈による活性低下は少ないですが、攪拌に弱い傾向にあります。よって、ボルテックスミキサー等による強い攪拌は避けてください。
- 備考
10×Bufferとして以下の組成をお薦めします。
500mM Tris-HCl (pH7.5)
100mM MgCl2
1mM DTT
500μg/mL BSA
- ワンポイントアドバイス
●ニックトランスレーション法について
本酵素には、5'→3'Exonuclease活性がないため、DNA PolymeraseⅠと異なりニックトランスレーション法に用いることはできません。
●2本鎖DNA末端の平滑化
本酵素によって、2本鎖DNAの平滑化を行う場合には、3'→5'Exonuclease 活性による平滑化の場合でも、5'→3'Polymerase活性による平滑化(フィルイン)と同様に反応液にはdNTPs(最終濃度50~100μM)を加えます。
ただし、本酵素の3'→5'Exonuclease活性は弱いため、突出部分の削除による平滑化には Blunting high あるいは T4 DNA Polymerase の使用をお勧めします。
- ※ 法規制について
- 毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
- 国: 国民保護法[毒素]
- 劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
- 組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
- 危: 消防法[危険物]
- 生物の多様性の確保に関する法律)
- P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
- 申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
- 労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
- なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品