哺乳類細胞タンパク質高発現システム
Mammalian PowerExpress System®
TOYOBO
価格表
Mammalian PowerExpress System®
品名 | Code No. | 包装 | 価格(税別) | 保存温度 | 説明書 仕様書 |
SDS | 法規制※ |
pEHX1.1(シングルペプチド用、抗体H鎖用)
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MPH-101 | 10μg×1本 | ¥165,000 | -20℃ | ― | ― |
pEHX1.2(シングルペプチド用、抗体H鎖用(遺伝子増幅対応))
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MPH-102 | 10μg×1本 | ¥220,000 | -20℃ | ― | ― |
pELX2.2(抗体L鎖用)
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MPL-202 | 10μg×1本 | ¥55,000 | -20℃ | ― | ― |
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用途
●タンパク質の生産
説明
特長
●遺伝子発現の安定化
CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞のゲノムより単離された遺伝子発現安定化エレメントPowerExpress Element®を発現ベクターに配置しています。PowerExpress Element®により、導入部位のゲノム環境により目的タンパク質の発現が不活性化される現象を低減し、導入された遺伝子の発現を安定化しています。
図1はPowerExpress Element®を含む抗体発現ベクターを導入して取得した2つのクローンの継代安定性を調べた結果です。各クローンの1継代と20継代の発現量比を縦軸にとりました。抗生物質を添加して選択圧をかけた場合(Puromycin(+))、抗生物質を添加せずに選択圧をかけなかった場合(Puromycin(-))、いずれの場合も1継代と20継代の発現量の比は100%前後となり、20継代後でも発現量が低下していないことがわかります。
●高発現クローン選択の効率化
弱化した薬剤選択マーカーを使用し、目的タンパク質高発現株の取得効率を高めています(PowerScreen®テクノロジー)。
PowerScreen®テクノロジーにより薬剤選択培養後に生じるコロニーの数は約10分の1に減少し、生じたコロニーの多くが目的タンパク質を高度に発現しています。
●dhfr遺伝子を用いた遺伝子増幅に対応
pEHX1.2プラスミドベクターはdhfr遺伝子をコードしており、MTX(メトレキセート)による遺伝子増幅が可能です。
●ラボスケールから工業化スケールでの製造まで多様な用途
抗体医薬などのバイオ医薬品の治験薬製造、市販品製造用としてはもちろんのこと、開発候補品選択のための多種類サンプル生産用としても有効です。
実施例
1.抗体発現ベクターの構築
pEHX1.1のマルチクローニングサイトに抗体重鎖遺伝子を挿入しpEHCを得ました。
また、pELX2.2のマルチクローニングサイトに抗体軽鎖遺伝子を挿入しpELC2を得ました。
pEHC の Bgl Ⅱ- Eco RI 間にpECL2の Bgl Ⅱ - Eco RI 断片を挿入し、抗体発現ベクターpELC2+HCを得ました。
2. 抗体発現におけ従来ベクターとMammalian PowerExpress Systemとの比較
(クローンプール状態での比較)
抗体の重鎖、軽鎖遺伝子を、
1.従来ベクター
2.PowerExpress ElementRベクター(PowerScreenRテクノロジーは使用していません)
3.Mammalian PowerExpress SystemRベクター
へ、それぞれ挿入し、CHO-K1細胞へ遺伝子導入、薬剤選択培養後、選択された細胞のクローン化を行う前のプール状態で、抗体の生産性を評価しました。
Mammalian PowerExpress SystemRベクターでは、従来ベクターに比べ5倍以上生産性が増加することを確認しました。
3. dhfr遺伝子を含む本SystemでのMTXによる選択効果の検討
抗体の重鎖遺伝子を、dhfr遺伝子を含むpEHX1.2のマルチクローニングサイトへ挿入しpEHC2を得ました。
実施例1と同様に、軽鎖遺伝子を含むpELC2のBglⅡ-EcoRI断片をpEHC2のBglⅡ-EcoRIサイトに挿入し抗体発現ベクターpELC2+HC2を得ました。
pELC2+HC2をCHO/dhfr-細胞へ遺伝子導入後、薬剤選択培養により安定発現細胞集団を取得しました。この細胞集団から取得した高発現細胞クローンを、MTXで選択培養を行った後、細胞のクローン化を行う前のプールの状態で抗体の生産性を評価しました。MTXでの選択培養により最大で3倍、平均して1.8倍の生産性の増加が可能であることを確認しました。
参考文献
<製品使用文献>
N. Yamano et al. et al. J. Biosci. Bioeng. 122 : (2) 226-231 (2016)
https://doi.org/10.1016/j.jbiosc.2016.01.002
S. Yamayoshi et al. EBioMedicine 17 : 182–191 (2017)
https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2017.03.007
- 製品内容
プラスミドDNA 各10μg
形状:
10mM Tris-HC1(pH8.0)
1mM EDTA
- 注意事項
本製品(3種類とも)の購入に際して、お客さまに使用申込書の提出をお願いしております。
(1)お客さまが非営利団体(大学その他、独立行政法人、財団法人など)の場合
使用申込書(非営利団体向け)に記入いただき、弊社あてにFaxまたは代理店さまへお渡しください。
(2)お客さまが営利団体の場合
使用申込書(営利団体向け)に記入いただき、弊社あてにFaxでお送りください。
営利団体のお客さまのご使用には、別途使用契約、または実施許諾契約が必要です。
弊社担当者より折り返しご連絡いたします。
※使用方法等の詳細は、テクニカルラインにお問い合わせください。
- ※ 法規制について
- 毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
- 国: 国民保護法[毒素]
- 劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
- 組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
- 危: 消防法[危険物]
- 生物の多様性の確保に関する法律)
- P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
- 申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
- 労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
- なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品