課題解決事例
I大学附属病院 神経内科学研究室
増幅サイズが長い場合やGC含量が高い場合など、増幅困難なターゲットを何とか増幅したい…
恩師が教えてくれたリアルタイムPCR用の試薬を使ったところ、結果が一変!
背景
I大学附属病院の神経内科学研究室に配属となったS研究員は、連日リアルタイムPCRに苦戦していた。特に増幅サイズが長い場合やGC含量が高い場合のターゲットの増幅が上手くいかず、今日も朝から対応に追われていた。
課題
推奨された条件とは言え、プライマー設計がこんなに難しいとは…
S研究員はPCRの経験が浅いこともあり、一般的に推奨されている条件でプライマー設計を行っていましたが、希望の増幅結果をなかなか得ることができません。そのため、特異的なプライマー配列の設計も全くできなかったのです。
「GC含量が高いターゲットでは、GC含量が比較的低い配列部分をプライマーに選択し、増幅する必要性があります。そのためプライマーが設計できる範囲が限られてしまって、検討に時間がかかっていました。また、一般的なリアルタイムPCRでは、200bp程度までの増幅サイズが推奨されています。ところが解析の都合上、200bpを超える増幅サイズのプライマーを設計した場合、期待通りの定量結果はいくらがんばっても得られませんでした」(S研究員)
S研究員は、文献やインターネット上での情報をかき集めては、さまざまなプライマーと試薬の組み合わせを試してみました。また、他の研究員が使用していたリアルタイムPCR用試薬をいくつか分けてもらい、試してみました。ところが増幅曲線のバラつきが激しく、全く使いものにはならなかったのです。
困り果てたS研究員は、プライマー設計のアドバイスをもらうため、数年ぶりに大学の恩師である教授のもとを訪れることにしました。S研究員から現状の悩みを聞いた教授は、これらの事象からピンときたことがありました。
課題のポイント
・一般的に推奨されている条件でプライマー設計を行っても、希望の増幅結果を得られない
・そのため、特異的なプライマー配列の設計が全くできなかった
・解析の都合上、一般的なリアルタイムPCR で推奨されている200bpを超える増幅サイズのプライマーを設計した場合、期待通りの定量結果を得られなかった