実施例

KOD FX 実施例39 植物葉からの迅速DNA増幅

【背景】
  実施例集に記載されていた95℃10分間の加熱による方法では,目的とするDNAの増幅が見られなかった。そこで、葉をペッスルを用いて破砕する方法を用い、少量多サンプルからのDNA簡易抽出と高効率PCRを実験の目的とした。

【サンプル】 イネおよびタケ類の葉

【サンプルの処理】 
 抽出液は実施例集に記載されていた Buffer A と同じ。実施例集に記されていたように,植物の葉を約3mm角にハサミで切断し,マイクロチューブに入れ,これに Buffer A を100μL加えた。ペッスルによってBuffer が緑色になる程度まで葉を砕いた。その後、簡単にスピンダウンし、上清を1μL用いてPCR(50μL)を行いました。
 <ペッスルを用いる葉サンプルの破砕>


【遺伝子名】 gibberellin 20-oxidase gene

【ターゲット長】 1,686 bp

【反応液組成】 KOD FX マニュアルに記載の反応液

【PCRサイクル】 35サイクル

【プライマー配列】
 forward primer: 5’-ATGCGGTGCAACTGCTACCC-3’
 reverse primer : 5’-TATACCTCCCGTTCGACAGC-3’
   ※イネの遺伝子のDNA配列を基に作成

【PCRサイクル】
<3 Step cycle>
94℃, 2 min.→[98℃, 10 sec.→60℃, 30 sec.→68℃, 1 min.](35 cycles)→68℃, 7 min.
               
<2 Step cycle>
94℃, 2 min.→[98℃, 10 sec.→68℃, 1min.](35 cycles)→68℃, 7 min.

【結果】
 ペッスルで粉砕した方法では,いずれのサンプルにおいてもDNAの増幅が見られた。PCR反応を3ステップでおこなった場合(アニール温度60℃)と2ステップでおこなった場合を比較すると,2ステップでも増幅効率が若干落ちるもののDNAの増幅が見られた。
 実施例集では葉緑体DNAからの増幅であり,コピー数が多いため加熱処理による方法でも増幅が可能であると思われたが,ゲノムDNAからの増幅には適さなかった。今回のペッスルによって粉砕した粗抽出液からは問題なくゲノムDNAからの増幅がおこなえた。また,実施例集にはプライマー長を長めに設定した方がよい,と記載されていたが,今回は上述した20-merのプライマー長でもPCR反応が問題なくおこなえた。

【コメント・ご意見等】
 従来,PCR反応の鋳型に使用するDNAは,サンプルを液体窒素によって粉砕し,その後に抽出処理をおこなわねばならず,操作が煩雑で時間もかかった。そのため,多数のサンプルを調製するにはかなりの労力を強いられたが,今回のペッスルによる粉砕法では1サンプルに要するのは,ほんの数秒であり,サンプル数が多くても簡単にPCRできる利点がある。PCRをおこなうだけであれば,今回の簡易抽出法によって得た抽出液を鋳型として KOD FX による反応で十分である。従来のDNAの抽出操作をすることを考えると時間と労力が大幅に節約できる。

【データご提供】
京都大学大学院 農学研究科 地域環境科学専攻
生物環境科学講座 森林生化学分野
 坂本正弘 先生 

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