(KOD FX) 実施例34

KOD FXは、クルードサンプルからの増幅効率に優れた高成功率PCR酵素です。以下に、先生方からいただきましたKOD FXの使用例を掲載いたしております。実験にお役立てください。

 

 実施例18:ホルマリン固定パラフィン包埋切片から抽出したDNAの解析

 

20090629FIG.jpg
M: 100bp DNA Ladder
1: Proteinase K処理後、カラム精製したDNA ①
2: Proteinase K処理後、70℃10分処理したクルードサンプル ②
3: DW
<アプライ量:2μl / Lane>


【サンプル】
ホルマリン固定パラフィン包埋材料(ヒト)
(今回使用した切片は厚さ約10μm で、大きさは1cm x 2cm程度)


【前処理】
5~10μmパラフィン包埋切片を1.5mlチューブに移す

脱パラフィン
キシレンを入れ5分放置後遠心してキシレンを除去
(3回繰り返す)

脱キシレン
100%エタノールを入れ5分放置してエタノールを除去
(4回繰り返す)

エタノールを除いた後、70℃・5分でエタノールを完全に除去

10mM Tris-HCl (pH 8.0) 300μlを加えた後、Proteinase K(10mg/ml)を10μl加え、37℃で一晩放置

※本実験では、10mM Tris-HCl (pH 8.0)を300μl添加していますが、サンプル量に応じて50~300μlを使用します。Proteinase Kはその量に応じて、増減させてください。
※切片が大きいときは、buffer を加えた後、眼科用のはさみで1mm以下になるぐらいまで細かく切ってからProteinase Kを添加します。
※37℃で一晩おいて未消化の組織が多いときは、さらに5~10μl Proteinase Kを加えて2~3時間消化します。
※組織の細胞密度や種類によって消化の具合はかなり変化します。線維組織はProteinase K で消化されないので、筋肉や膜などが多い組織は完全には溶解しません。


加熱処理(70℃、10 min) ⇒ そのままPCR用サンプルとして使用②

カラム精製(シリカメンブレンを用いたスピンカラムタイプを使用) ⇒ DNA鋳型として使用①
 


【ターゲット】
Human β-globin 268bp
 

【プライマー】
Primer F:GAAGAGCCAAGGGCAGGTAC
Primer R:CAACTTCATCCACGTTCACC

参考文献:Am.J.Pathol. 154;67-75,1999


【反応液組成】

 滅菌蒸留水     3.6 (μl)
 2×PCR buffer for KOD FX    10
 2mM dNTPs     4
 10pmol / μl Primer F      0.5
 10pmol / μl Primer R       0.5
 KOD FX (1.0U /μl)      0.4
 精製DNA or ライセート     1 *
 Total    20 (μl)


*Proteinase K処理後のライセートは1μlを目安に添加します。
精製DNAの添加量は、20μl反応系で約100ngを目安にします。組織の量が少なかった場合は回収量が少なくなりますので、カラムから最少量でDNAを溶出し、適量を添加します。添加量が1μlを超える場合は、滅菌蒸留水の量を調整します。

【PCR サイクル】

 

94℃ 15 min**

(98℃ 10 sec, 57℃ 30sec, 68℃ 30sec)×38cycles

**ホルマリン固定組織から得られたDNAの増幅では、最初の変性ステップを7~15分程度に設定することで良好な結果を得ることができるようです。


【データご提供】
福岡大学 医学部 病理学講座
石黒 晶子 先生、竹下 盛重 先生、福重 智子 先生
 

【先生からのコメント】
他社のポリメラーゼを用いた場合、精製DNAを用いても増幅できない検体が多かった。一方、KOD FXを用いることで精製DNA及び、Proteinase K処理後のパラフィン包埋材料のライセートから高効率にPCR産物を得ることができた。小さな組織の場合、精製するとDNAがより少なくなるので、精製しないでPCRに使えるのが良い。

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