実施例

KOD One 実施例9 糸状菌・酵母のダイレクトPCR

<実験の目的>
糸状菌・酵母の菌体から抽出、精製なしでDNAを増幅する。

<実験方法>

【サンプルの種類】
Aspergillus oryzae および Saccharomyces cerevisiae 菌体

【サンプルの調製方法】
糸状菌・酵母を生育させたプレートから、爪楊枝で菌体を取り、以下をテンプレートとして用いた。
1. 50μLの滅菌水に懸濁したうちの 5μL
2. 20μLの滅菌水に懸濁したうちの 5μL
3. そのまま

【ターゲット遺伝子名と長さ】
18S rRNA内 ITS1領域
Aspergillus oryzae : 約180bp
Saccharomyces cerevisiae : 約450bp

【プライマー配列】
ITS1 Forward Primer : GTAACAAGGTYTCCGT
ITS1 Reverse Primer : CGTTCTTCATCGATG
※ターゲット領域が短いため、この実験では推奨の長さ(22~35mer)よりも短いPrimerを用いた。

【反応液組成】                                                             【PCRサイクル】

     (μL)        
  滅菌蒸留水   3.8 または 8.8   98℃  10sec.  
  KOD One® PCR Master Mix  10   45℃    5sec.  30cycles
  10μM Primer F    0.6   68℃  10sec.  
  10μM Primer R    0.6        
  菌体懸濁液または菌体    5 または 0        
       
  Total Volume  20        


<結果・考察>
Saccharomyces cerevisiae では、サンプル調製法による増幅量の差はそれほど見られませんでしたが、Aspergillus oryzae では、菌体をPCR反応液に直接懸濁した方がよく増幅しました。また、KOD One® PCR Master MixとKOD One® PCR Master Mix -Blue-では、結果に差はありませんでした。

※菌体からのダイレクトPCRは、菌体量が多いと阻害がかかり増幅がうまくいかない場合がありますが、一方でカビなどは細胞が固いため、ある程度の量を入れないと増幅できないこともあります。あらかじめ、菌体量の検討をお勧めします。

  菌体量を検討してうまく増幅できない場合は、 伸長時間を10sec./kbに設定することで増幅できることがあります。

  また、KOD One® PCR Master Mix は、推奨のPCRサイクルに初期変性のステップがないため、サンプル調製を行う際に、滅菌水に懸濁後、95℃, 5min.程度の熱処理を行うことで、菌種よってはPCR効率が改善される場合があります。

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