製品別FAQ

【KOD -Plus- / KOD -Plus- Ver.2】

KOD -Plus-はどんな酵素ですか?

KOD -Plus-は、KOD DNA polymeraseをベースとして開発された高効率・高正確なPCR用酵素です。Bufferの至適化と抗KOD DNA polymerase抗体によるホットスタート法の採用により、従来販売していたKOD DNA Polymerase [Code No. KOD-101]に比べ、PCRの効率および正確性が向上しているのが特長です。正確性は、Taq DNA polymeraseの約80倍であり、遺伝子のクローニングなどに適しています。PCR産物の末端は平滑化されていますが、専用のTAクローニングキット『TArget CloneTM -Plus-』[Code No. TAK-201]を用いることで、高効率でTAクローニングを行うことができます。
KOD-Plus-を用いる実験のコツを『私にもできた!ライフサイエンス実験シリーズ Vol.1及びVol.2』にまとめています。是非ご参照ください。

増幅できるターゲット長についての情報を教えてください。

条件にもよりますが、Genomic DNA;〜12Kb、cDNA;〜10Kb、λDNA・Plasmid DNA;〜15Kb 程度までの実績がございます。 「KOD -Plus-を用いたさまざまなLong PCR」が実施例はこちらからご覧になれます。

正確性はどのくらいですか?

測定条件にもよりますが、Taq DNA Polymeraseに対して、約80倍高いというデータがございます。

PCR時の伸長反応時間の目安を教えてください

1分/kbをお勧めしています。
※PCR産物がスメアー状になる場合は、伸長反応時間を短くしてご検討ください。

増幅が認められません。どうしたら良いですか?

以下の方策が考えられます。

・ アニーリング温度を5〜10℃下げて検討する。
・ 20mer以下のプライマーをご使用の場合、21mer以上のプライマーを検討する。
・ マグネシウム量を増やして検討する。
・ ジメチルスルホキシド(DMSO)を最終濃度2-5%になるように添加して検討する。

<サンプル条件>
・ 逆転写産物を鋳型として用いている場合、持ち込み量を反応液の2%以下にして検討する。
・ ゲノムDNAを鋳型として用いている場合、鋳型量を減らして検討する(特に植物由来ゲノムDNAの場合)
※ RNAの持込によりKOD DNA polymerase活性が阻害を受けることがあります。RT産物やゲノムDNAに共存するRNAの持込みに注意してください。

PCR産物のTAクローニングは可能ですか?

KOD -Plus- 及びKOD -Plus- Ver.2で増幅されたDNAの末端は平滑末端になっており、PCR産物をそのままTAクローニングを行うことはできません。KOD -Plus- 及びKOD -Plus- Ver.2で増幅したPCR産物のTAクローニングには、専用TAクローニングキット「TArget CloneTM -Plus-」[Code No. TAK-201]をお勧めいたします。
このキットには、抗KOD DNA polymerse抗体とTaq DNA polymeraseが使用されています。抗KOD抗体が、増幅後残留しているKOD DNA polymeraseの3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を抑えつつ、Taq DNA polymeraseのTdT活性でDNA末端にdAを付加します。よって、このキットを用いると精製なしでKOD -Plus- 及びKOD -Plus- Ver.2のPCR産物を高効率でTAクローニングすることができます。 KOD PCRプロダクトのクローニングのコツは『私にもできた!ライフサイエンス実験シリーズ Vol.1及びVol.2』でもご覧になれます。

PCRサイクリング時の変性温度は最高何℃まで可能ですか?

KOD -Plus- 及びKOD -Plus- Ver.2に使われているKOD DNA polymeraseはTaq DNA polymeraseなどに比べ高い耐熱性を示すことが知られています。変性温度と時間について検討したところ、98℃・30秒程度まで良好な結果が得られることが分かっています。

他のPCR酵素に添加されているdNTPsは使用可能ですか?

添付のdNTPsをご使用ください。
dNTPsによっては、KOD-Plus-/KOD-Plus- Ver.2の性能を発揮できない可能性があります。KOD-Plus-/KOD-Plus- Ver.2には、検定をクリアーしたdNTPsを添付しております。

RT-PCRを行う時にどのような点に気をつけたら良いですか?

RT反応に用いたRNAが多く反応液に持ち込まれると増幅阻害が起きやすくなるようです。RT反応液をそのままPCR反応に持ち込む場合は、持ち込み量を反応液の2%以下にすることをお勧めいたします。

PCRの伸長反応温度は何℃が最適ですか?

72℃よりも68℃の方が平均して良い結果が得られるようです。

Stepdown PCRを検討したいのですが、例はありますか?

KOD -Plus- を使用した一例として以下の方法がございます。
 

94℃  2min.  
98℃ 10sec.  5 cycles
74℃  9min.
98℃ 10sec.  5 cycles
72℃  9min.
98℃ 10sec.  5 cycles
70℃  9min.
98℃ 10sec. 25 cycles
68℃  9min.
68℃  7min.  
ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えた時に正確性は変化しますか?

2〜5%のDMSOの添加で正確性が変化しないことを確かめています。

GCが高い鋳型を効果的に増幅するにはどうすれば良いですか?

KOD DNA polymeraseは、元々GC含量の高い遺伝子の増幅に向く酵素であることが知られています。またさらに、PCR反応液に最終濃度2〜5%のジメチルスルホキシド(DMSO)を添加することによって、効率が高くなることが分かっています。DMSOの添加によって正確性に変化のないことを確認しています。

KOD -Plus- を使用した文献はありますか?

下記文献をご参照ください。

1) N. Sagara et al.,Cancer Res.,60:5959-5962(2000)

2) T. Iwamoto et al.,J.Gen.Virol.,82:2653-2662(2001)

3) N. Matsumoto et al.,Intl.Immunol.,13:615-623(2001)

4) N. Matsumoto et al.,J.Exp.Med.,193:147-158(2001)

5) M. Watanabe et al.,J.Biochem.,131:183-191(2002)

6) H. Terasaki et al.,Intl.J.Mol.Med.,9:107-112(2002)

7) Y. Hotta et al.,Appl. and Envir.Microbiol.,68:3925-3931(2002)

8) Y. Hirohashi et al.,Clin.Cancer Res.,8:1731-1739(2002)

9) T. Okamoto et al.,J.Antimicrobial Chemotherapy,50:849-856(2002)

10) M. Tabuchi et al.,Mol.Biol.Cell.,13:4371-4387(2002)

KOD -Plus- Ver.2はどんな酵素ですか?

KOD -Plus- Ver.2は、高性能・高正確PCR酵素:KOD -Plus-のバッファーを改良することでリライアビリティー(PCR成功率)を向上させた、高効率な高正確性PCR酵素です。正確性はKOD -Plus-とほぼ同等です。KOD -Plus-と同じく、専用のTAクローニングキット『TArget CloneTM -Plus-』[Code No. TAK-201]を用いることで、高効率でTAクローニングを行うことができます。
KOD-Plus-を用いる実験のコツを『私にもできた!ライフサイエンス実験シリーズ Vol.1及びVol.2』に まとめています。是非ご参照ください。

KOD -Plus- とKOD -Plus- Ver.2の違いは何でしょうか?

KOD -Plus- Ver.2は、高性能・高正確PCR酵素:KOD -Plus-のバッファーを改良することでリライアビリティー(PCR成功率)を向上させた酵素です。正確性はKOD -Plus-とほぼ同等です。 そのため、別売りの専用Buffer [Code No.KOD-3B、1mL] をお買い求めいただくだけで、現在お手持ちのKOD -Plus-をVer.2 としてお使いいただけます。 KOD -Plus-からKOD -Plus- Ver.2 への切り替えをご検討される場合に有用です。

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