製品別FAQ

【RNA-direct Realtime PCR Master Mix】

RNA-direct とはどのような試薬でしょうか?

1酵素系による1-stepリアルタイムPCR用マスターミックスです。Thermus thermophilus HB8株より単離されたTth DNA Polymeraseが、マンガンイオン存在下で強い逆転写活性を示すことを利用しています。耐熱性酵素により逆転写を行うため、逆転写反応を高温(61℃)で行うことが出来ます。

1-stepで行うことでどんなメリットがあるのですか?

RNAから直接反応を行うことが出来るため、実験系の簡略化、ハイスループット化が可能です。特に、単一のターゲットを多数のサンプルから網羅的に検出するような場合に適しています。

従来のRTaseとPCR試薬を用いる2-step反応系とのデータの乖離はないのですか?

逆転写反応とPCRとを別個に行う2-step反応の結果とも高い整合性があることを確認しています。2-step 反応系から1-step反応系への移行は容易です。
(実施例はこちら)
 

逆転写酵素は入っていないのですか?

本試薬に含まれているTth DNA Polymeraseは、マンガンイオン存在下で、PCR酵素活性(DNA依存性DNAポリメラーゼ活性)と逆転写活性(RNA依存性DNAポリメラーゼ活性)の両方を示します。1種類の酵素で2種類の反応を行います。

一般的な逆転写酵素(M-MLV逆転写酵素)等を使用したキットと比較して、逆転写効率が劣りませんか?

M-MLV逆転写酵素の活性は、Tth DNA Polymeraseの逆転写活性よりも強いですが、逆転写酵素とTaq DNA Polymeraseを混合した1-step試薬においては、PCRを阻害しないよう、逆転写酵素の添加量が最小限に抑えられている上、PCR用のバッファー組成で反応を行う為、これらの試薬の逆転写効率は、逆転写酵素単独で行った場合と比べて著しく劣ります。それに対して本試薬においては、逆転写反応もTth DNA Polymeraseの至適条件で行われる為、高い逆転写効率を得ることができます。

冷蔵で保存できますか?

4℃で保存することも可能です。2ヶ月程度では品質に問題が生じないことを確認しています。本試薬には蛍光色素が含有されている為、保存の際には遮光して下さい。

凍結融解を繰り返しても大丈夫ですか?

10回程度の凍結融解では品質に全く問題が生じないことを確認しています。使用後は再凍結保存していただいても結構です。少量ずつ何度も使用する場合には、4℃で保存することも可能です。2ヶ月程度では品質に問題が生じないことを確認しています。尚、添付のMn(OAc)2溶液については、必ず凍結保存してください。

どのようなアッセイ系に使用できますか?

本試薬には、プローブアッセイ用とSYBR™ Greenアッセイ用とがあります。プローブアッセイ用は、TaqMan プローブ、ハイブリダイゼイションプローブ、Molecular Beacon等、あらゆるプローブを用いることができます。SYBR™ Greenアッセイ用は、SYBR™ Green Iがあらかじめ混合されていますので、そのまま使用することができます。

逆転写プライマーにはどのようなものを使用すればよいのですか?

PCRに用いるリバース側(RNAの下流側)プライマーがそのまま逆転写用のプライマーとして働きます。Oligo (dT)プライマーやランダムプライマーを使用することはできません。

なぜ高温で逆転写を行うのですか?

RNAは一本鎖で存在するため、立体構造を形成しやすく、それが逆転写反応の不良を引き起こすことがあります。逆転写反応を高温で行うことで、RNAの立体構造を解き、反応を確実に行うことが出来るようになります。また、遺伝子特異的プライマー(GSP)を用いる逆転写においてプライマーのアニーリングの特異性も高めることができます。

ホットスタートには対応してますか?

抗体を用いた高速・高性能のホットスタートシステムを採用しています。ホットスタートは逆転写反応に対しても有効であるため、特異性の高いアッセイを行うことが出来ます。

ホットスタートによる酵素の再活性化反応を行うことで、鋳型RNAは不安定にならないのですか?

一般にRNAは、二価イオンの存在下で高温に晒されると加水分解されやすくなります。本試薬ではバッファー系の改善により、高温時のRNAのダメージが最小限になるよう工夫が加えられています。またホットスタートには迅速な再活性化が可能な抗体を用いたシステムを採用していますので、高温に晒される時間は短時間(30秒以内)であり、RNAのダメージはほとんどありません。

添付のMn(OAc)2を混合した状態で長期間保存することは可能ですか?

Master MixにMn(OAc)2を混合すると、試薬の劣化が起こりやすくなります。混合した場合の長期間保存は行わず、必ず使用時に混合してください。

Master Mixにパッシブリファレンス色素は入っていますか?

パッシブリファレンス色素は混合済みです。パッシブリファレンス色素を使用する機器類(Applied Biosystems®等)では、そのまま使用することができます(設定はROXにしてください)。パッシブリファレンス色素を利用しない機器でも全く問題なく使用することができます。

詳細はTOYOBO製品におけるROXの有無をご覧ください。

どのような測定機器が使用できますか?

汎用チューブを使用するタイプ(BioFlux社LineGene)や、ガラスキャピラリーを使用するタイプ(Roche社LightCycler)、プレートを使用するタイプ(Appliled Biosystems社ABI PRISM)など、幅広い機器でご使用になれます。
 

   機器名
弊社で確認を行った機器 ・ABI 7700
・ABI 7900
・LineGene (BioFlux)
・LightCycler (Roche)
弊社の試薬で
使用実績のある機器
・Mx3000p (Stratagene)
・Thermal Cycler Dice Real Time System(TaKaRa)
・ABI 7000
・ABI 7500
・GeneAmp 5700
増幅曲線の立ち上がりが遅い場合があるのですが。

本試薬では、逆転写反応を高温で行う為、リバース側のプライマーの配列によっては、プライミング効率の問題から逆転写の効率が低下する場合があります。その場合は、リバース側のプライマーのみ添加量を増やすことで、リアルタイムPCRでの立ち上がりが大きく改善される場合があります。ただし、プライマーの増加は非特異反応の増大につながりますので、定量性に問題がない場合はプライマー濃度を上げないことをお勧めします。

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