Uracil-DNA Glycosylase (UNG), Heat-labile

TOYOBO

価格表

品名 Code No. 包装 価格(税別) 保存温度 説明書
仕様書
SDS 法規制
Uracil-DNA Glycosylase (UNG), Heat-labile
UNG-101 200U×1本 ¥32,000 -20℃ なし

用途

●dUTPを用いて増幅したPCR産物の分解

説明

PCRにおいて、前に行ったPCRの増幅産物が紛れ込んだことにより、サンプル由来以外のDNAを鋳型として増幅が起こることをキャリーオーバーコンタミネーションといいます。このようなケースでは、Negative Controlからもターゲット遺伝子の増幅が見られ、偽陽性が生じたり、定量PCRを行った場合は過剰評価をしてしまうことがあります。


PCRを実施する際に、あらかじめdUTPを含むdNTPsを用いて行い、次にPCRを行う前に本製品で処理をすることで、キャリーオーバーコンタミネーションを防止することが可能です。

特長

●PCRのキャリーオーバー対策・偽陽性の防止に有用
●高い熱感受性のため、PCRだけでなく、RT-PCRにも使用可能(RT反応は、42℃以上で行ってください。)

原理

Uracil-DNA Glycosylase (UNG)は、デオキシシリボースとウラシル塩基の間のN-グリコシド結合を加水分解して脱塩基部位を形成します。脱塩基部位をもったDNAは熱により分解するため、PCRの鋳型にはなりません。 dUTPを用いて増幅したPCR産物のみUNGにより分解されるため、テンプレートDNAの増幅には影響することなくキャリーオーバーコンタミネーションしたPCR産物のみ分解します。


また、本製品は熱感受性が高いため、逆転写反応(42℃以上)やPCRの初期変性により失活し、その後の反応には影響を及ぼしません。

実施例

1. PCR産物分解能の確認

dTTPの代わりにdUTPを含むdNTPs [Code No. NTP-501] を用いてPCRを実施。PCR産物100ngに本製品を添加してUNG反応を行ったのち、電気泳動を行いました。その結果、37℃、10min. でPCR産物が分解されていることが確認できました。


   
 PCR産物100ng
  ↓
 水またはUNG(2U)添加
  ↓
 37℃ / 10min.(反応)
  ↓
 60℃ / 10min.(失活)
  ↓
 電気泳動

 

2. キャリーオーバーコンタミネーション防止効果の検証

飛沫した増幅産物が次のPCRに混入したケース(キャリーオーバーコンタミネーション)を想定し、増幅産物の希釈液を鋳型としUNG処理後、同ターゲットの検出を行いました。その結果、UNG処理ありでは、1回目のPCRの増幅産物が分解され、2回目のPCRでは増幅が認められませんでした。


 

【1回目のPCR】
  エンテロウイルスRNAを鋳型とし、THUNDERBIRD® Probe One-step qRT-PCR Kit[Code No.  
  QRZ-101
]にて196bpのターゲットを増幅


【2回目のPCR】
  上記ウラシルを含む増幅産物(104コピー)を鋳型とし、THUNDERBIRD® Probe One-step qRT-
  PCR Kit [Code No.QRZ-101]にUNG(0.4U)を添加し、リアルタイムPCRにて1回目のPCRと同じ
  ターゲットを増幅


 
【PCRサイクル条件】  
   25℃, 10min.(UNG反応)
   50℃, 10min.(逆転写反応)
   95℃, 1min.
   95℃, 15sec.
   60℃, 45sec.(測定)

 


 


 


 


 45cycles


 


 


 

3. UNG処理後のPCR増幅産物の安定性

UNG添加後にPCRを行った場合、UNGがPCR中に完全に失活されていないと解析前にPCR産物が分解されてしまう可能性があります。そこでUNGがPCRサイクル中に完全に失活するか確認した結果、本製品は失活しており、PCR増幅産物の分解は認められませんでした。


 
  水またはUNG(2U)
    ↓
  PCRサイクル
    95℃, 10sec.  
    50℃, 10sec.  30cycles
    72℃, 30sec.  
    ↓
  PCR産物100ng添加
    ↓
  25℃ / 24hr.
    ↓
  電気泳動

 


 


M:100bp DNA Ladder
①:水
②:TOYOBO UNG
    [Code No. UNG-101]
③:A社熱感受性UNG
④:B社熱感受性UNG
⑤:C社熱感受性UNG
⑥:A社 UNG


 

4. UNG処理によるRT-PCR反応への影響

UNG 2UをTHUNDERBIRD® Probe One-step qRT-PCR Kit [Code No. QRZ-101] のRT-PCR反応液に添加し、UNG処理を行った後、リアルタイムRT-PCRにてエンテロウイルスRNAの検出を行いました。その結果、熱感受性のUNGを使用しない場合、Ct値の遅れが認められましたが、本製品を使用した場合は、Ct値の遅れが認められませんでした。

製品内容

Uracil-DNA Glycosylase  (1U/μL)   200μL×1本
 

形状: 


20mM Tris-HCl, pH 7.5
50mM  NaCl
1mM DTT
0.1% Tween20
50%(v/v) Glycerol

※Glycerolフリー品もございます。

活性の定義:
dsDNA中の1nmolのdUを37℃・1時間の反応で分解できる酵素量を 1Uとしています。

基本反応条件

0.4U/20μL または、1.0U/50μL
25℃、10min.

※ 法規制について
毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
国: 国民保護法[毒素]
劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
危: 消防法[危険物]
   生物の多様性の確保に関する法律)
P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品

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