高効率・高正確性PCR酵素

KOD -Plus- / KOD -Plus- Ver.2

TOYOBO

価格表

KOD -Plus-

Code No. 包装 価格(税別) 保存温度 説明書
仕様書
SDS 法規制
KOD-201 200U×1本 ¥30,000 -20℃ なし
KOD-201X5 (200U×1本)×5 ¥120,000 -20℃ なし
KOD-201X10 (200U×1本)×10 ¥210,000 -20℃ なし

KOD -Plus- Ver.2

Code No. 包装 価格(税別) 保存温度 説明書
仕様書
SDS 法規制
KOD-211 200U×1本 ¥30,000 -20℃ なし
KOD-211X5 (200U×1本)×5 ¥120,000 -20℃ なし

用途

●PCR

説明

KOD DNA polymeraseをベースに開発された高正確性PCR酵素です。弊社PCR酵素中、最高の正確性を示します。本酵素は、バッファー組成の改良やホットスタート法の採用により、従来品に比べ、正確性、及びPCR性能が格段に向上しています。KOD -Plus- Ver.2は、KOD -Plus-のバッファーをさらに改良し、PCR成功率が向上しています。

特長

●優れた正確性(弊社No.1)
KOD DNA polymeraseの特長である最高水準の正確性をさらに向上させており、Taq DNA polymeraseの約80倍の正確性を示します。DNAクローニングに最適です。



●ホットスタートでPCRパフォーマンス向上
2種類の抗KOD抗体を酵素に混合することによって、非特異反応の原因となる常温下でのPolymerase活性と3'→5'Exonuclease活性を抑制しています。抗体はPCRの最初の変性ステップで失活し、増幅反応には影響を及ぼしません。

●伸長性・増幅効率向上
反応バッファー組成を至適化することにより、従来のKOD DNA Polymeraseよりも伸長性・増幅効率が向上しています。

●優れた耐熱性
Taq DNA polymeraseよりも耐熱性が優れているため、変性ステップの温度を高く設定することができ、GCリッチな高次構造を形成するようなターゲットに有効です。

●高いPCR成功率「KOD -Plus-Ver.2」[Code No. KOD-211]
増幅しにくいターゲットや長いターゲットに対するPCR成功率がKOD -Plus-より向上しています。また、逆転写反応液の持込みによる阻害も低減されています。
 

実施例

1. GCリッチターゲットの増幅比較

GC含量約70%のPseudomonasのリパーゼ遺伝子を含むプラスミドを鋳型に約2kbをターゲットとしてPCRを行い、rTaq DNA Polymeraseと増幅度の比較を実施しました。サイクルは、伸長温度以外は同一の条件で行いました。その結果、KOD-Plus-では通常の条件で強い増幅を確認することができたのに対し、rTaq DNA Polymeraseでは5%DMSOもしくはA社PCRエンハンサーを添加した条件でのみ増幅を確認することができました。

2. 他社高正確性PCR酵素とのPCR増幅性能の比較

Human β-globin遺伝子0.6~3.6kbをターゲットとして、KOD -Plus-、及び他社高正確性PCR酵素を用いて増幅し、比較を行いました。その結果、KOD -Plus-は他社High Fidelity酵素に比べ良好な増幅を示しました。

 

3. 各種cDNAをターゲットとした他社PCR用酵素との増幅性能の比較

HeLa total RNAより逆転写したcDNAを鋳型として、4種類のターゲットについてPCR効率の比較を行いました。
その結果、KOD -Plus- Ver.2は、他の酵素に比べて良好な増幅を示しました。特に増幅の難しい6.8kbのターゲットにおいても明瞭な増幅がみられました。


 

実施例4 : inverse PCRによる部位特異的変異導入
実施例5 : さまざまな鋳型を用いたLong PCR
実施例6 : Colony direct-PCRによる黄色ブドウ球菌の遺伝子プロフィール解析
実施例7 : Colony direct-PCRによる各種微生物遺伝子の簡便・迅速検出
実施例8 : ヘパリン含有サンプルを用いたPCRにおけるBetaine添加効果

参考文献

1) J. Mo et al., J. Mol. Biol., 222: 925-936(1991)
2) M. Takagi et al., Appl. Environ. Microbiol., 63: 4504-4510(1997)
3) H. Hashimoto et al., J. Biochem.(Tokyo),125: 983-986(1999)
4) H. Mizuguchi et al., J. Biochem.(Tokyo),126: 762-768(1999)
5) H. Hashimoto et al., J. Mol. Biol.,306: 469-477(2001)
6) M. Watanabe et al., J. Biochem.(Tokyo),131: 183-191(2002)
7) H. Terasaki et al., Intl. J. Mol. Med., 9: 107-112(2002)


製品内容

【KOD-201】
KOD -Plus-(1U/μL)         200μL×1本
10×PCR Buffer [KOD-2B]  1mL×1本
25mM MgSO4 [KOD-2S]    1mL×1本
2mM dNTPs [NTP-201]   1mL×1本

【KOD-211】
KOD -Plus-(1U/μL)*         200μL×1本
10×PCR Buffer [KOD-3B]    1mL×1本
25mM MgSO4 [KOD-2S]      1mL×1本
2mM dNTPs [NTP-201]       1mL×1本

*KOD抗体を1.6μg/μLの濃度で含んでいます。
 

形状:
50mM Tris-HCl(pH8.0)
0.1mM EDTA
1mM DTT 0.001% Tween® 20
0.001% Nonidet® P-40
50% Glycerol

活性の定義:
75℃において、30分間に10nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性画分に取り込む酵素量を1Uとします。

純度
本酵素15UとpBR322 1μgを75℃で4時間反応させても電気泳動パターンは変化しないことを確認しています。

起源:
E.coli 組換体

注意事項

PCRには製品に添付されているdNTPsまたは別売りのdNTPs Mixture (2mM) [NTP-201]をご使用ください。他のdNTPsでは、十分な性能が得られない場合があります。

基本反応条件

〈KOD -Plus-〉
10×PCR Buffer(KOD -Plus-用) 5μL
25mM MgSO4 2μL(1mM)
各Primer 15pmol each 2mM
dNTPs 5μL(0.2mM)
鋳型 1〜50ng(Plasmid)
  10〜200ng(Genomic DNA)
  〜1μL(逆転写反応液)*
KOD -Plus-(1U/μL) 1μL(1U)
Total Volume 50μL
 *ワンポイントアドバイスのRT反応液をサンプルとする場合、をご確認ください。

<3ステップサイクル>*
94℃, 2min.

94℃, 15sec.    
Tm-5℃, 30sec.
68℃, 1min./kb 25〜35 cycles

<2ステップサイクル>*
94℃, 2min.

94℃, 15sec.
68℃, 1min./kb 25〜35 cycles

〈KOD -Plus- Ver.2〉
10×PCR Buffer(KOD -Plus- Ver.2用)  5μL
25mM MgSO4 3μL(1.5mM)
各Primer 15pmol each
2mM dNTPs 5μL(0.2mM)
鋳型 1〜50ng(Plasmid)
    10〜200ng(Genome DNA)
    〜2μL(逆転写反応液)
KOD -Plus-(1U/μL) 1μL(1U)
Total Volume 50μL

<3ステップサイクル>*   
94℃, 2min.

98℃, 10sec.
Tm-5℃, 30sec.
68℃, 1min./kb 25〜40 cycles

<2ステップサイクル>*
94℃, 2min.

98℃, 10sec.
68℃, 1min./kb 25〜40 cycles

*通常は3ステップのサイクルを行います。
Tm値が72℃以上のプライマーを用い、3ステップサイクルでスメアーが認められた場合、2ステップサイクルを行なうとスメアーが解消される場合があります。

プライマーのTm値の計算は、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)を用いております。プライマーのTm値計算表(EXCEL)は、こちらからダウンロードいただけます。

備考

※10×PCR Bufferは本酵素専用です。KOD DNA PolymeraseのBufferとは組成が異なります。

ワンポイントアドバイス

●PCR産物のクローニング
本酵素のPCR産物は平滑化されており、平滑末端クローニング法によってクローニングできます。
その際ベクター側を脱リン酸化処理している場合、PCR産物のリン酸化を行うか、5'リン酸基のついたプライマーを使用する必要があります。  
また、本酵素のPCR産物は平滑化されているため、直接TAクローニングすることはできません。専用のTAクローニングキット「TArget CloneTM-Plus-」をご使用ください。

●PCR条件の設定について
酵素の標準使用量は、50μLの系に対して1Uとしてください。 伸長反応は、68℃で行い、ターゲット1kbに対して1min.を標準とします。
スメアリングが起こっている場合はMgSO4の濃度を下げ、増幅が見られない場合はMgSO4濃度を上げて検討します。

●GCリッチな鋳型の場合
反応液にDMSOを最終濃度2〜5%程度添加することにより、改善される場合があります。

●RT反応液を鋳型とする場合
RT反応液の大量の持ち込みは、本酵素によるPCR反応を阻害する場合があります。RT反応液のPCRへの持ち込みは、PCR反応液の1/25以下(好ましくは1/50以下)をお勧めします。この場合、RT反応液からのMg2+やdNTPsの持ち込みについては考慮する必要はなく、基本反応条件に沿って、本酵素の添付のdNTPsとMgSO4を添加していただければ問題ありません。

●プライマーの設計 3'側にミスマッチのあるプライマーは、本酵素によって校正を受ける場合があります。

プライマーのTm値の計算は、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)を用いております。プライマーのTm値計算表(EXCEL)は、こちらからダウンロードいただけます。イノシンを含むプライマーのTm値はこの方法では計算できません。

●DNA末端平滑化に用いる場合はこちらをご覧ください。

FAQはこちら →

   トラブルシューティングは
こちら

English Page

※ 法規制について
毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
国: 国民保護法[毒素]
劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
危: 消防法[危険物]
   生物の多様性の確保に関する法律)
P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品

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