高正確・高効率・高速PCR酵素

KOD -Plus- Neo

TOYOBO

価格表

Code No. 包装 価格(税別) 保存温度 説明書
仕様書
SDS 法規制
KOD-401 200U×1本 ¥30,000 -20℃ なし
KOD-401X5 (200U×1本)×5 ¥120,000 -20℃ なし
KOD-401X10 (200U×1本)×10 ¥210,000 -20℃ なし

用途

● PCR

説明

KOD -Plus- Neoは、高正確性PCR酵素KOD -Plus-シリーズの技術に新たに開発した「伸長エンハンサー」を応用することで、高い正確性(Taq DNA polymeraseの約80倍)を保持しつつ、微量な鋳型DNAからの増幅や長いターゲットの増幅効率を格段に向上させた酵素です。

特長

●微量な鋳型DNAから正確・高効率な増幅が可能
伸長エンハンサー技術を応用することによって、微量な鋳型DNAからでも高正確・高効率に目的遺伝子を増幅することができるようになりました。本酵素は高い正確性(Taqの約80倍)を示し、低コピー数の鋳型からも正確に目的遺伝子を増幅することができます。

* PCRエラー率は、各酵素にてヒトゲノムDNAを鋳型にβ-globin遺伝子(2.4kb)の増幅を行い、PCR産物をTAクローニング後、96クローンをシーケンシング解析し、測定しました。

●ホットスタートでPCRパフォーマンス向上
2種類の抗KOD抗体を酵素に混合することによって、非特異反応の原因となる常温下でのPolymerase活性と3'→5'Exonuclease活性を抑制しています。抗体はPCRの最初の変性ステップで失活し、増幅反応には影響を及ぼしません。

●伸長時間を短縮<30sec./kb>(長いターゲットでより便利になりました)
伸長時間を、従来品の60sec./kbから30sec./kbに短縮。長いターゲットでより便利になりました。



●長鎖ターゲットの増幅
従来品より伸長性が向上し、さまざまな長さのターゲットを増幅できます。ゲノムDNAで24kbまでの増幅を確認しています。

●さまざまなプライマーで同一温度サイクル条件を実現
20mer以上のプライマー(Tm値>63℃)においては、まずは2ステップサイクルをお試しください。サイクル条件の検討は不要です。(基本反応条件ご参照)

*Tm値は、最近接塩基対法(Nearest Neighbor Method)を用いて計算した値を利用しています。

原理

KOD DNA polymeraseは、強い3‘→5’エキソヌクレアーゼ活性(校正活性)を有し、正確にターゲット配列を増幅することができるため、クローニング用のPCR酵素として好評いただいております。
しかし、高正確性PCR酵素は、20~30サイクル以降、増幅が持続しなくなる<プラトー現象>が出やすいと言われています。

KOD –Plus-Neoは、高正確性PCR酵素KOD -Plus-シリーズの技術に、弊社で新たに開発した「伸長エンハンサー」を応用することでTaqの約80倍というKOD -Plus-シリーズの高い正確性を保持しつつ、<プラトー現象>を抑えることにより、微量な鋳型DNAからの増幅や長いターゲットの増幅効率を格段に向上させることに成功しました。

実施例

1.Total RNA からの全長ORFの増幅

HeLa cell由来Total RNA 1μgから合成したcDNA約50ngを使用して、さまざまなプロテインキナーゼのORF(open reading frame)の全長を増幅しました。
サイクルは各酵素の最適条件にて、30サイクル行いました。
その結果、KOD -Plus- Neoで増幅した場合にのみ、すべての遺伝子で明瞭な増幅産物を得ることができ、すべてのORFを迅速にクローニングすることが可能でした。


 

2. β-globin遺伝子上の各領域における増幅効率・伸長性の比較

Human genomic DNA 50ngを用いてさまざまなサイズのβ-globin遺伝子の増幅を行いました。反応はそれぞれのPCR酵素の推奨条件に従って、同じサイクル数にて実施しました。
その結果、KOD -Plus- Neoを用いた場合でのみ、17.5kbまでの明瞭な増幅を確認することができました。また、17.5kb以下の増幅においても、他社PCR酵素を大幅に上回る収量が認められました。


 

3. 長鎖ターゲットの増幅

ヒトゲノムDNA(200 ng)をテンプレートにさまざまなプライマー濃度でβ-globin遺伝子(17.5 kb)、tPA(Human tissue-type plasminogen activator)遺伝子(24.0 kb)の増幅を行いました。その結果、長鎖ターゲットの増幅では、プライマー濃度を下げることで増幅量が増すことが示されました。

このように10 kb以上の長鎖ターゲットを増幅する場合は、プライマー濃度を0.15μM(終濃度)でご利用ください。増幅量が向上する場合があります。

参考文献

1) M. Takagi et al., Appl. Environ. Microbiol., 63 : 4504-4510 (1997)
2) H. Hashimoto et al., J. Biochem.(Tokyo), 125 : 983-986 (1999)
3) H. Mizuguchi et al., J. Biochem.(Tokyo), 126 : 762-768 (1999)
4) M. Nishioka et al., J. Biotechnol., 88 : 141-149 (2001)
5) H. Hashimoto et al., J. Mol. Biol., 306 : 469-77 (2001)
6) T. Imanaka et al., J. Chin. Inst.Chem. Engrs., 32 : 277-288 (2001)


製品内容

KOD -Plus- Neo (1U/μL)   200μL×1本
10×PCR Buffer for KOD -Plus- Neo [KOD-4B]                  1mL×1本
25mM MgSO4 [KOD-2S]      1mL×1本
2mM dNTPs [NTP-201]        1mL×1本

※50μLで反応を行なった場合、200回用としてご使用になれます。
 

形状:
50mM Tris-HCl (pH8.0)
25mM KCl
0.1mM EDTA
1mM DTT
0.05% Tween® -20
0.05% Nonidet® P-40
50% Glycerol

活性の定義:
75℃活性測定条件で30分間に10nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性画分に取り込む酵素量を1Uとします。

純度
本酵素15UとpBR322 1μgを75℃で4時間反応させても電気泳動パターンは変化しないことを確認しています。

起源:
E.coli 組換体
 

注意事項

PCRには製品に添付されているdNTPsまたは別売りのdNTPs Mixture (2mM) [NTP-201]をご使用ください。他のdNTPsでは、十分な性能が得られない場合があります。

基本反応条件

滅菌蒸留水  X μL
10×PCR Buffer for KOD -Plus- Neo  5μL
2mM dNTPs  5μL
25mM MgSO4  3μL
10pmol/μl Primer F  1.5μL
10pmol/μl Primer R  1.5μL
KOD -Plus- Neo (1.0U/μl)  1μL
Genomic DNA  ~200ng
Plasmid DNA  ~50ng
cDNA  ~200ng (RNA相当)
Total 50μL

〈2ステップサイクル〉*
94℃ 2min.
    ↓
98℃ 10sec.
68℃ 30sec./kb 25~45 cycles

〈3ステップサイクル〉*
94℃ 2min.
  ↓
98℃ 10sec.
Tm℃ 30sec.
68℃ 30sec./kb 25~45  cycles

〈ステップダウンサイクル〉*
94℃, 2min.
    ↓
98℃, 10sec.
74℃, 30sec./kb 5 cycles
    ↓
98℃, 10sec.
72℃, 30sec./kb 5 cycles
    ↓
98℃, 10sec.
70℃, 30sec./kb 5 cycles
  ↓
98℃, 10sec.
68℃, 30sec./kb 15~30 cycles
    ↓
68℃, 7min.

*プライマーのTm値が63℃より高い場合は、2ステップサイクルで行います。
Tm値が63℃以下および2ステップで増幅が見られない場合は、3ステップサイクルをお試しください。
増幅産物にエキストラバンドやスメアが見られた場合は、ステップダウンサイクルをお試しください。

プライマーのTm値の計算は、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)を用いております。プライマーのTm値計算表(EXCEL)は、こちらからダウンロードいただけます。

ワンポイントアドバイス

●PCR産物のクローニング
本酵素のPCR産物は平滑化されており、平滑末端クローニング法によってクローニングできます。
その際ベクター側を脱リン酸化処理している場合、PCR産物のリン酸化を行うか、5'リン酸基のついたプライマーを使用する必要があります。
また、本酵素のPCR産物は平滑化されているため、直接TAクローニングすることはできません。
専用のTAクローニングキット「TArget CloneTM-Plus-」をご使用ください。

●PCR条件の設定について
酵素の標準使用量は、50μLの系に対して1Uとしてください。
伸長反応は、68℃で行い、ターゲット1kbに対して1min.を標準とします。スメアリングが起こっている場合はMgSO4の濃度を下げ、増幅が見られない場合はMgSO4濃度を上げて検討します。

●GCリッチな鋳型の場合
反応液にDMSOを最終濃度2〜5%程度添加することにより、改善される場合があります。

●RT反応液を鋳型とする場合
RT反応液の大量の持ち込みは、本酵素によるPCR反応を阻害する場合があります。
RT反応液のPCRへの持ち込みは、PCR反応液の1/25以下(好ましくは1/50以下)をお薦めします。
この場合、RT反応液からのMg2+やdNTPsの持ち込みについては考慮する必要はなく、基本反応条件に沿って、本酵素の添付のdNTPsとMgSO4を添加していただければ問題ありません。

●プライマーの設計
3'側にミスマッチのあるプライマーは、本酵素によって校正を受ける場合があります。

プライマーのTm値の計算は、最近接塩基対法(Nearest Neighbor method)を用いております。プライマーのTm値計算表(EXCEL)は、こちらからダウンロードできます。イノシンを含むプライマーのTm値はこの方法では計算できません。

●DNA末端平滑化に用いる場合はこちらをご覧ください。

FAQはこちら →


   トラブルシューティングは
こちら
English Page

※ 法規制について
毒: 毒物及び劇物取締法[医薬用外毒物]
国: 国民保護法[毒素]
劇: 毒物及び劇物取締法[医薬用外劇物]
組: カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
危: 消防法[危険物]
   生物の多様性の確保に関する法律)
P: PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)[届け出義務物質]
申: ご購入時に申込書の提出が必要な製品
労: 労働安全衛生法[通知または表示義務物質]
なし: 上記法令や申込書の提出に該当しない製品

製品検索

人気キーワード


コンテンツ

  • 実験実施例
  • 実験サポート
  • 製品選択ガイド
  • 製品一覧
  • TOYOBO LIFE SCIENCE UPLOAD 情報誌
  • コーヒーブレイク
  • お問い合わせ・資料請求
  • TOYOBO バイオニュース メールマガジン登録
  • CELL APPLICATION, INC.
  • 東洋紡バイオ事業統括部 公式Twitterはこちら
  • PCRは東洋紡